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用を弁ずる
「用を弁ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用を弁ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「かのように」より 著者:森鴎外
洋事情や輿地誌略《よちしりゃく》の盛んに行われていた時代に人となって、翻訳書で当
用を弁ずることが出来、華族仲間で口が利かれる程度に、自分を養成しただけの子爵は、....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
訳には行かず、不幸にして痳疾《りんしつ》を患《うれ》いたからと申して臍《へそ》で
用を弁ずる事ができなくなりました。はなはだ不都合《ふつごう》であります。しかし意....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ぶ勇気がちょっと出なかった。電話もこの際利用しにくかった。彼はやむを得ず、手紙で
用を弁ずる事にした。彼はせんだって須永の母に話したとほぼ同様の顛末《てんまつ》を....
「明暗」より 著者:夏目漱石
込めるようになって来た。――始め通じなかった電話は、しまいに通じるだけは通じても
用を弁ずる事ができなかった。看護婦を呼び出して用事を取次いで貰おうとしたが、それ....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
けてしきりに絵端書《えはがき》の表に何か認《したた》めていた。余は駅長に向って当
用を弁ずる傍《かたわら》、思いがけない所に思いがけない人がいるものだという好奇心....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
動かし、首を掉《ふ》ることをせざれども、瞳《ひとみ》は自在に回転して、随意にその
用を弁ずるなり。 されば路すがらの事々物々、たとえばお堀端《ほりばた》の芝生《....
「爛」より 著者:徳田秋声
然した女だ。人との応対も巧いし、私がいないでも、ちゃんと仕事の運びのつくように、
用を弁ずるだけの伎倆はある。それは認めてやらないわけに行かんよ。その点は、私の細....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
あった。それが一躍して中臈を贏ち得たのは破格である。女小姓は茶、烟草、手水などの
用を弁ずるもので、今いう小間使である。中臈は奥方附であると、奥方の身辺に奉仕して....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
い置くにつけその性|馴《な》らし使うに堪えたものと知れ、騎《の》り試みるに快活に
用を弁ずるから、乗るも牽かせも負わせもして、ついに人間社会大必要の具となった。今....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
何の洗練もなく発展もなく、無趣味|雑駁《ざっぱく》な俗語として、単に日常生活の所
用を弁ずるだけの言語として止まっていた。 然るに明治の末になってから、西洋の言....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
図書館を有すれども、これら図書館の大多数は都市の区域内または附近郊外在住の民衆の
用を弁ずるのみ、小町村及び郊外在住者の大多数は今なお図書館の便宜を有することなし....
「京都学校の記」より 著者:福沢諭吉
かつ学校の傍《かたわら》にその区内町会所の席を設け、町役人出張の場所となして、町
用を弁ずるの傍に生徒の世話をも兼ぬるゆえ、いっそうの便利あるなり。 四所の中学....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
かない。夜などはどこに行ったのかちっとも帰って来ない。そういう事がたびたびあって
用を弁ずることが出来んので大いに困った事がある。そのほかに雇入れてある小僧も同じ....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
な偉いものではなかった。侍はすなわち「さむらう」で、貴人の左右にさむらうて、その
用を弁ずる賤職である。今で云えば侍者すなわち給仕である。昔は高年者に「侍」を賜う....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
を禁ぜしめられた。これは必ずしも肉食の禁というではなく、人間に飼育せられて人間の
用を弁ずるもの、または特に人類に最も近似したるものを屠殺して食用に供することは人....