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用人
「用人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俘囚」より 著者:海野十三
早く帰ってくるのよ」 彼は膨《は》れぼったい眼を気にしながら出ていった。 使
用人の居ないこの広い邸宅は、まるで化物屋敷のように、静まりかえっていた。一週に一....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ていたかという疑問であった。黒沼家は千二百石の大身《たいしん》で、屋敷のうちには
用人、給人、中小姓、足軽、中間のほかに、乳母、腰元、台所働きの女中などをあわせて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
地であった。近所で訊くと、この下屋敷には六十ばかりの御隠居が住んでいて、ほかには
用人と若党と中間、それから女中が二人ほど奉公しているとのことであった。半七は菜の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
泣き狂うので、屋敷中の者も持て余した。その痛ましさと浅ましさを見るに堪えかねて、
用人と老女が相談の末に、姫様によく肖た娘をどこからか借りて来て、姫様に仕立ててお....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かった。Kのおじさんも或る大名屋敷の門内に住んでいたが、おそらくその昔は家老とか
用人とかいう身分の人の住居であったろう。ともかくも一軒建てになっていて、小さい庭....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
た。但しこれはあたらしい小間使の光枝に対してだけの話で、その他のお手伝いさんや使
用人は、方言まじりの言葉で、こっぴどく叱りつけられていた。 その夜のうちに、光....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
たないからであった。溝口医師の家は久住弥太郎という旗本の屋敷で、かのむすめはその
用人を勤めていた箕部五兵衛の子で、その名をお筆というのであると自分の口から話した....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
面は一様に僅かながら湿りを含んでいる。勝手門と台所との間には、御用聞やこの家の使
用人達のものであろう、靴跡やフェルト草履の跡が重なるようにしてついている。蜂須賀....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
いからであった。 溝口医師の家は久住弥太郎という旗本の屋敷で、かのむすめはその
用人を勤めていた箕部五兵衛の子で、その名をお筆というのであると自分の口から話した....
「兄妹」より 著者:岡本かの子
は別な道の旧武蔵街道を兄妹は歩いているのだ。妹は電車の出来ない前は郊外の家の自家
用人力車で、女学校の寄宿舎から一人で家へ帰った単純な休暇行路を思い出しながら、自....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
居なかった。その代り探偵長ボリス・ナーデルが旅行服で乗って居た。多勢のホテルの使
用人達に付き添われて出て来たイベットは落付いた色の軽快な服装の為に寂しい威厳まで....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
所属のデパートとなった。旧劇場附属の人員は此の際大方採用されて、その新百貨店の使
用人となった。なかに旧劇場で案内係をして居た一人の娘の親が英人の娘として米人の使....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
を立てたが、若い中に妻に死なれたので幼ない児供を残して国を飛出した。性来|頗る器
用人で、影画の紙人形を切るのを売物として、鋏一挺で日本中を廻国した変り者だった。....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
の対手の忘恩者を赦した沼南の大雅量は直接事件に交渉したものの外は余り知らない。使
用人同様の玄関番の書生の身分で主人なり恩師なりの眼を窃んでその名誉に泥を塗るいお....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
とばもあって、とにかく懸命にボール紙にしわを寄せる仕事に取組んだのだった。 使
用人としては、原紙などの運び役に櫛原万造という大酒飲みのじいさんと、私が日給二十....