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用心
「用心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
た。それがしかも、今夜なんです。おなじみがいに、教えてあげましたから、それ相当の
用心をしないと、あぶのうござんすよって。だから、今夜は、きっと向こうにも、手くば....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
平四郎は当時|文蔵《ぶんぞう》と云う、柏原《かしわばら》の博徒《ばくと》のもとに
用心棒をしていた剣客《けんかく》である。もっともこの「ふとしたこと」には二つ三《....
「影」より 著者:芥川竜之介
妬《しっと》深い聞き耳を立てた。それはこの時戸の向うに、さっき彼が聞いたような、
用心深い靴の音が、二三度|床《ゆか》に響《ひび》いたからであった。
足響《あし....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
毎日|編笠《あみがさ》を深くして、敵の行方《ゆくえ》を探して歩いた。しかし兵衛も
用心が厳しいと見えて、容易に在処を露《あらわ》さなかった。一度左近が兵衛らしい梵....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
まき散らしています。わたしはまず何よりも先へ、あなたがたの爪にかからないように、
用心しなければなりません。
小野の小町 (玉造の小町に)まあ、何と云う人聞きの....
「路上」より 著者:芥川竜之介
は、他人ばかり不幸にすると云う事じゃない。自分までも不幸にすると云う事だ。だから
用心しなくっちゃいけない。」
「じゃ君は中位派《ちゅうぐらいは》か。」
「勿論さ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
。彼は戸口に思いがけない人のけはいが聞えた時、一瞬間|忙《せわ》しい手を止めて、
用心深く耳を澄ませたが、その途端《とたん》に軒の簾が、大きく夜を煽《あお》ったと....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
約束の出来ていたお敏は、その晩にも逃げ帰る心算《つもり》だったそうですが、向うも
用心していたのでしょう。度々入口の格子戸を窺《うかが》っても、必ず外に一匹の蛇が....
「夢」より 著者:芥川竜之介
やはりわたしには考えものだった。わたしは何かあった場合に彼等に疑いをかけられない
用心をする気もちも持ち合せていた。
「あの人は時々うちをあけると、一週間も帰って....
「或る女」より 著者:有島武郎
々しい靄《もや》となって取り巻いていた。放縦という事務長の心《しん》の臓は、今不
用心に開かれている。あの無頓着《むとんじゃく》そうな肩のゆすりの陰にすさまじい ....
「或る女」より 著者:有島武郎
目を細めてまぶしい光線を避けつつ、自分の部屋を片づけている女中の気配《けはい》に
用心の気を配った。どんな所にいても大事な金目《かねめ》なものをくだらないものと一....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ようとした。
この頃浮浪人が出て毎晩集会所に集って焚火《たきび》なぞをするから
用心が悪い、と人々がいうので神社の世話役をしていた笠井は、おどかしつけるつもりで....
「墓」より 著者:秋田滋
と、トモアゾン夫人の墓石のそばのところで、ピタリと停ってしまった。そこで、墓番は
用心に
用心をして歩いてゆくと、まもなく、マランヴェール路の方角にあたって、幽かな....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ろがり、むかしオランダ人の航海者がタッパン・ジーと名づけていたところでは、彼らは
用心していつでも帆をちぢめ、航海者の守り、聖ニコラスに加護をねがいながら、横断し....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
赤い提灯や蝋燭や教覚速善居士の額も大体昔の通りである。尤も今は墓の石を欠かれない
用心のしてあるばかりではない。墓の前の柱にちゃんと「御用のおかたはお守り石をさし....