用水[語句情報] » 用水

「用水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

用水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
めるやら、女|連が上も下も斉しく見る目を聳てたが、車は確に、軒に藤棚があって下を用水が流れる、火の番小屋と相角の、辻の帳場で、近頃塗替えて、島山の令夫人に乗初め....
追憶」より 著者:芥川竜之介
。 一六 水屋 そのころはまた本所も井戸の水を使っていた。が、特に飲用水だけは水屋の水を使っていた。僕はいまだに目に見えるように、顔の赤い水屋の爺さ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
ざと終りを卑下して云った。 畑のなりもので見えなかったが、近寄ると新しく掘った用水があって、欄干のない橋がかかっていた。水はきれいで薄曇りの空を逆に映して居り....
薬草取」より 著者:泉鏡花
しく、来た方を眺めると、脊が小さいから馬の腹を透かして雨上りの松並木、青田の縁の用水に、白鷺の遠く飛ぶまで、畷がずっと見渡されて、西日がほんのり紅いのに、急な大....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
がくれの裏に、どうどうと落ちたぎる水の音の凄じく響くのは、大樋を伏せて二重に城の用水を引いた、敵に対する要害で、地下を城の内濠に灌ぐと聞く、戦国の余残だそうであ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
りゃ。門札の傍へ、白で丸い輪を書いたのは。」 「井戸でない。」 「へえ。」 「飲用水の印ではない、何じゃ、あれじゃ。その、色事の看板目印というやつじゃ。まだ方々....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、滝の勢もなく、瀬の力があるでもない。落ちても逆捲かず、走っても迸らぬ。たとえば用水が畔へ開き、田が一面の湖となる、雨上りの広田圃を見るような、鮒と鰌の洪水めい....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
の演芸館へ繰込むのの、いまちょうど退汐時。人は一倍群ったが、向側が崖沿の石垣で、用水の流が急激に走るから、推されて蹈はずす憂があるので、群集は残らず井菊屋の片側....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
屋根の農家がまだ四五軒も残っていて、いずれも同じ枯竹垣を結び繞らし、その間には、用水堀や堰の跡などもあろうと云った情景。わけても、田圃の不動堂が、延宝の昔以来の....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
。そして、今でもその教会のなかでは妙にふるえる音が聞え、静かな日曜日の朝には水車用水池の正反対のほうに半マイルもはなれたところでも聞えることがあるのだが、その声....
母と娘」より 著者:岡本かの子
滑車を五分間も廻さなければ汲み出せないの然かも濁った水よ。駅や小学校の控室には飲用水の代りに葡萄酒が備えてあるの。農夫は野良仕事に葡萄酒を壜に詰めてぶら下げて行....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
はてんで詮索しようとしなかった山腹や川沿いの荒地(それなしには傾斜地のことで田の用水は保たず、畑地にあっては、耕土の流亡を免れない場所)それが実は官有地であって....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
じゃぶじゃぶと。……美術閣の門の、すぐ向うが高台の町の崖つづきで、その下をお城の用水が瀬を立てて流れます。片側の屋敷町で、川と一筋、どこまでも、古い土塀が続いて....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ども、港湾の比較的深くして巨舶をつなぐに適すると、渓谷間に清泉の湧出するありて飲用水を有するとによりて、ここに人の輻湊するに至り、自然に小都邑をなせり。ほかの諸....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
たが、それでも大迷惑には違いなかった。田畑の灰の掻き除けはしなければならず、川や用水の浚えもしなければならなかった。たまに思い出したように郡代から下げ渡される救....