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「用水桶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

用水桶の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
に大通の真中へ出ていった。そこに石造の門口を閉《とざ》した旅館があったり、大きな用水桶《ようすいおけ》をひかえた銀行や、半鐘を備えつけた警察署があったりした。 ....
足迹」より 著者:徳田秋声
離室の見透されるような家は二軒とはなかった。お庄は店頭の軒下に据えつけられた高い用水桶の片蔭から中を覗いて、その前を往ったり来たりしていたが、するうち下足番の若....
丹下左膳」より 著者:林不忘
拭をギュッとわしづかみにした小さなチョビ安が、お美夜ちゃんと石金のすぐうしろの、用水桶のかげに立って、 「えエイちくしょう、泣かしゃアがる」 その豆絞りで、グ....
最後の胡弓弾き」より 著者:新美南吉
ら玄関の方へ近づいてゆくと、足はまた自然にとまってしまった。大きな赤犬が、入口の用水桶《ようすいおけ》の下にうずくまってこちらを見ているのだった。 「松つあん、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
朦朧《もうろう》の辻駕籠《つじかご》が、 「へえ」 と言って振返った。とある家の用水桶の蔭に真黒な二人、両方とも長い刀を差しています。そこで駕籠屋を不意に呼びか....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ろえて伸びをした。 ずらりと並んでいる蔵宿の一つ、両口屋嘉右衛門の店さき、その用水桶のかげに、先刻からつづみの与吉がぼんやりと人待ち顔に立っている。 打てば....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ば、元の船手組へ帰参ができるだろう」と懸命なところだ。 酒菰をかぶって蔵屋敷の用水桶のかげに、犬のように寝ている中に、土佐堀の櫓韻、川面からのぼる白い霧、まだ....