用立てる[語句情報] »
用立てる
「用立てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用立てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
さだ。親から月々学資を送ってもらう身分でいながら、一度に二十円の三十円のと、人に
用立てるなんて、いかにも無分別だとあるんですがね――なんだかぼくに責任があるよう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い出すと、九郎右衛門も由兵衛もいやな顔をした。そして、そのくらいの金は甚右衛門が
用立てるのが当然だと云った。この仕事については甚右衛門がふだんから一番余計に儲け....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
れておられるのを見兼ねて、妻と相談の上自分らが借りていた八畳|二室のその一つを御
用立てることにした。夏のことでなかの仕切りは形ばかりの小簾一重、風も通せば話も通....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
「手前共は、羊皮や長靴などの商いではございません。金銀にまさる神様のお恵みを御
用立てるのでございます。これには、もう値段はございません」 「畜生! うまく百姓....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つもりか、 「先生、その軍用金は、軍用金として御使用御随意ですが、それを先生に御
用立てる前に抵当《かた》をいただいてありますから、あとでかれこれおっしゃってはい....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
蛮《なんばん》鉄などというものもあるが、ねばりが強いので主に地肌《じはだ》にだけ
用立てる。
鍛《きた》えに二法あり。
古刀鍛はおろし鉄のいってんばりであった....
「中庸」より 著者:坂口安吾
そして噂のひろまるのはまことに早いもので、本日の大工費用は根作が自慢の馬を売って
用立てるそうだということが学校をとりまいて見物していた人々の口から口へ伝わったの....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
。私は丘へ上って行って注意深く小屋を見上げて見た。その構造でその小屋が猛獣狩りに
用立てるためずっと昔に造られたもので、今はもう誰もその小屋には住んでいないという....
「決闘」より 著者:神西清
善良で実意のある男であった。町じゅうの誰彼なしに君僕の間柄である。誰彼なしに金を
用立てる、療治をしてやる、婚礼の橋渡しをしてやる、喧嘩の仲裁をしてやる、ピクニッ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
性の、学問が自由になったことである。当人たちの考え次第に、どんな目的にでも時間を
用立てることができるようになったことである。 昔は学問のことを勉強と謂っていた....