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用箪笥
「用箪笥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用箪笥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
ものは?――彼女はふと女学校の教科書にそんなことも書いてあったように感じ、早速|
用箪笥《ようだんす》の抽斗《ひきだし》から古い家政読本《かせいどくほん》を二冊出....
「或る女」より 著者:有島武郎
に、堅そうな桜炭の火が白い被衣《かつぎ》の下でほんのりと赤らんでいるのも、精巧な
用箪笥《ようだんす》のはめ込まれた一|間《けん》の壁に続いた器用な三尺床に、白菊....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
《すい》し、帳簿を取りに寄こされたを幸《さいわい》に無理に開けたに相違ない。鍵は
用箪笥のを用いたらしい。革包の中を見てどんなにか驚いたろう。思うに自分が盗んだも....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
み》を返《けえ》しましょうか」 文「これは己が心あるから取り置く」 と文治の
用箪笥《ようだんす》の引出へ仕舞い置きましたのは親切なのでございます。左様なこと....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
立てていた紀久子は、正勝が出ていくと急いでベッドを下りた。そして、紀久子は自分の
用箪笥《ようだんす》の引出しの底からそこにありったけの紙幣を掴み出して、それを洋....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
度をした。 「おい、お仙、すこし小遣いを出してくれ」 「あいよ」 女房のお仙は
用箪笥のひき出しから、一歩銀に一朱銀を取りまぜて掴んで来た。 「このくらいでいい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のすがたは物置のなかから見いだされなかった。あるじのおとわも見えなかった。箪笥や
用箪笥の抽斗が取り散らされているのを見ると、かれは目ぼしい品物を持ち出して、どこ....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
、物入と云やア娘も其の内何処かへ嫁に遣らなければなりませんが、其の時の箪笥三重と
用箪笥を親方に願いたい、何卒心懸けて木の良いのを見付けてください」 長「畏まり....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
源助孝助、誠に相済まん事であったが、百両の金は実は己が仕舞処を違えて置いたのが、
用箪笥から出たから喜んでくれ、家来だからあんなに疑ってもよいが、外の者でもあって....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
籐むしろの上に机を据えて、毎日朝のうちは金の勘定をする事にきめていた。黒光りする
用箪笥から幾束かの紙幣を取り出して、一枚一枚丁寧に焼鏝をあてて皺を延ばして行くの....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
しいてあり、かっかと燃える、むき出しの炉で(田舎の屋敷風に)暖められ、樫の高価な
用箪笥が備えつけてあった。「ここの暖炉のそばでお待ち下さいますか、旦那さま? そ....
「置土産」より 著者:国木田独歩
、あの朝お絹お常の手に入りたるを、お常は神のお授けと喜び上等ゆえ外出行きにすると
用箪笥の奥にしまい込み、お絹は叔母に所望されて与えしなり。 二十八年三月の末お....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
なる危険にも馴れています。化け物屋敷でも驚きません」 J氏も深くは言わないで、
用箪笥から鍵をとり出して私に渡してくれた。その腹蔵のない態度にわたしは衷心から感....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ね。ちょっと、待ってね。」と、立ちもどって来て、茶箪笥の上に、針箱と同居している
用箪笥の小引出しから、判箱を出して、書留用紙に判を押して返した。 圭子が茶の間....
「現場の写真」より 著者:小酒井不木
に見られなかったから、自殺でないことはすぐに分かった。そうして、座敷の隅にあった
用箪笥の小引き出しがこじあけてあって、中がからっぽになっているところから見ると、....