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用談
「用談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用談の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
稀《まれ》である。馬琴はおもむろに一服吸いつけながら、いつもの通り、さっそく話を
用談の方へ持っていった。彼は特に、和泉屋のこの感服を好まないのである。
「そこで....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
…
K君の来たのは二時前だった。僕はK君を置き炬燵に請《しょう》じ、差し当りの
用談をすませることにした。縞《しま》の背広を着たK君はもとは奉天《ほうてん》の特....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、平常私の所へ出入をする、日本橋辺のある出版|書肆《しょし》の若主人で、ふだんは
用談さえすませてしまうと、※々《そうそう》帰ってしまうのですが、ちょうどその夜は....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
手の無礼を咎《とが》めもせずにあでやかに笑った。「お客は播磨守殿とやら。大切の御
用談でござろうか」 「主人と閑室にての差し向かい、いかようの
用談やら我々すこしも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わそわと神田の家を出た。 八丁堀同心山崎善兵衛は彼の来るのを待ち受けて、すぐに
用談に取りかかった。 「おい、半七。早速だが、また一つ御用を勤めて貰いたいことが....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
。その後は何かの用があったりして、ちょいちょい訪ねて行くこともあったが、何時でも
用談だけで帰ったことがない。お忙がしいでしょうから二十分位と断って会うときでも、....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
。遠視電話のスクリーンには部下の根賀地の待ちくたびれた顔があった。私等は読唇術で
用談を片付けた。 「馬車を……。矢口」 私はこの古風な乗物に揺られ乍ら推理をす....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
り中のところ、親しい友が来てくれればどうしても喋りたくなる。 仕事の方の客は、
用談だけだから、短くてすむ。親しい友ほど、長話になる。それだから親しい友と逢うこ....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
て、嫌いじゃ。第一、羊の肉が、珍味といえるか」 「羊の肉ではございません。なら、
用談より先に、これをごらんに入れましょう」 密使は、背中に負っていた大きな包を....
「火薬船」より 著者:海野十三
…」 といっているとき、横から一等運転士の坂谷が 「船長。ノーマ号が、本船に“
用談アリ、停船ヲ乞ウ”と信号旗をあげました。いかがいたしましょうか」 「なに、用....
「暗号数字」より 著者:海野十三
しまいますので」 と、情報部事務官木村清次郎氏は、初対面の挨拶のあとで、すぐと
用談にとりかかった。 「――これは、政府の一大事に関する緊急な調査事件なんですが....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
に載すべき事項のほかに、祭事、仏事、音物、到来品、買物、近親交友間の消息、来客の
用談世間咄、出入商人職人等の近事、奉公人の移り換、給金の前渡しや貸越や、慶庵や請....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
カモその二、三度も、待たされるのがイツモ三十分以上で、漸く対座して十分かソコラで
用談を済ますと直ぐ定って、「ドウゾ復たお閑の時御ユックリとお遊びにいらしって下さ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
て、これを省くと何となく物足りない感じがします。用事のある客が来たのを招き入れて
用談かたがたお茶を飲むときもありますが、どうもあとで、はっきりお茶を飲んだ気がし....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
えて、居眠りする気にもなれなかった。 帰宅すると客が応接室に待っていた、彼女は
用談をすませ、玄関へ送り出したのは、もうかれこれ一時近かった。 あと片づけに来....