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用達
「用達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
用達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
や》はありませんがね」 慶応元年の正月の末であった。神田から下谷の竜泉寺前まで
用達《ようたし》に行った半七は、七ツ半(午後五時)頃に先方の家を出ると、帰り路は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
手へ登ったんじゃあ、どうせ午すぎでなけりゃあ帰るめえ」 半七はその間に二、三軒
用達をして来ようと思って、早々に源次の家を出た。それから駈け足で二、三軒まわって....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
する。 「閉めていらっしゃいな。」 で、蓮葉にぴたり。 後に話合うと、階下へ
用達しになど、座を起って通る時、その窓の前へ行くと、希代にヒヤリとして風が冷い。....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
方は、どこへ行くのさァ」その女は、一歩近よって、云った。 「ちょいと、この仁と、
用達しに」 「そうかい、あのネ」女は、口を、わしの耳に近づけて、連れに聞かせたく....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
遅いようですよ」 「なにしろ気をつけてくれ、頼むぜ」 半七はそれから赤坂の方へ
用達に廻った。初春の賑やかな往来をあるきながらも、彼は絶えずこの疑問の鍵をみいだ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
いて、五月雨になって消えましたとな。 些と日数が経ってから、親仁どのは、村方の
用達かたがた、東京へ参ったついでに芝口の両換店へ寄って、汚い煙草入から煙草の粉だ....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
りにして矢部を室内に招じ入れた。 「よく来たね。矢部君。きょうは君に八十円ばかり
用達をしてもいいと思っていたところだ」 「ほんとですか」 矢部は、すぐれない顔....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
遊ばしましたお留守中は、お邸にも御用が少うございますものですから、自分の買もの、
用達しだの、何のと申して、奥様にお暇を頂いては、こんな処へ出て参りまして、偶に通....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
か。」 「その御縁で、ついこの間、糸七さんと、もう一人おつれになって、神保町辺へ
用達においでなさいましたお帰りがけ、ご散歩かたがた、「どうだい、新店は立行くかい....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
毒だ。勇士は轡の音に目を覚ますとか、美人が衾の音に起きませぬよう、そッと抜出して
用達しをしてまいり、往復何事もなかったのでありまするが、廊下の一方、今小宮山が行....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
行った。原を通りぬけて無事に隣り村へ行き着くと、田崎の小父さんは近所までちょっと
用達しに出たから少し待っていてくれという。そこの家にもおばあさんがあって、僕の来....
「発明小僧」より 著者:海野十三
に合わぬことを心配する人があるかも知れないが、こいつは心配いらぬ。何故なら牛馬は
用達を催すときには先ず急に止るから、そのとき直ぐハンドルを引張れば、十分間に合う....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
居もせずに帰った。事件はこれから出来したのである。 金助はそれから二、三ヵ所の
用達しを済ませて、その日の七つ(午後四時)ごろに今戸の店へ帰ったが、途中から胸が....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
んで焦り焦りしている。尤も今日は多分夕方までには発表するだろうと思うが、近所まで
用達しに来たから内々密と洩らしに来た。」 と、いつも沈着いてる男が、跡から跡から....
「九月四日」より 著者:岡本綺堂
久しぶりで麹町元園町の旧宅地附近へ行って見た。九月四日、この朔日には震災一週年の握り飯を食わされたので、きょうは他の
用達しを兼ねてその焼跡を見て来たいような気になったのである。 旧宅地の管理は同....