田夫野人[語句情報] » 田夫野人

「田夫野人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

田夫野人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
京王電鉄は、一方|先棒の村内有力者某々等をして頗る猛烈に運動せしむると共に、一方田夫野人何事をか仕出来さんと高を括って高圧的手段に出た。即ち関係地主の過半数は反....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
としては及ばずながらこの機会に出来る限り偽わらざる感想を述べておきたい。門外漢の田夫野人の言葉でも古名人の境界を伝えている事が屡々あるのだから。同時に翁の芸風を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
くかく》、旗鼓堂々《きこどうどう》たる大流でなく、草莽《そうもう》の間《かん》、田夫野人の中、或いはささやかなるいなかの神社の片隅などから生れて、誤解と、迫害と....
学生と教養」より 著者:倉田百三
も学としての形態の充分ととのっていない支那や日本の諸子百家の教えも、また文字なき田夫野人の世渡りの法にも倫理的関心と探究と実践とはある。しかし現代に生を享けて、....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
て、永く膝下《しっか》にあるべき旨《むね》を答えしものから、七年の苦学を無にして田夫野人《でんぷやじん》と共に耒鋤《らいじょ》を執《と》り、貴重の光陰《こういん....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
い》高くしてその用《よう》低く、その来たるところ遠くして、その及ぼすところ広く、田夫野人《でんぷやじん》も守り得《う》るものであるらしい。 わが邦《くに》にお....
剣侠」より 著者:国枝史郎
んだ無礼を! ……が、あいつは正直のところ、私の本意ではなかったので。いかに私が田夫野人でも、何で本気で婦人に対し、あのような所業に及びましょうぞ。あれは高萩の....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ずの博引旁証をして気焔を揚げておる。馬琴の衒学癖は病膏肓に入ったもので、無知なる田夫野人の口からさえ故事来歴を講釈せしむる事が珍らしくないが、自ら群書を渉猟する....
法然行伝」より 著者:中里介山
してこの念仏の興行も都ではもはや年久しいことだ。これから辺鄙《へんぴ》に赴いて、田夫野人をすすめることが年頃の本意であったが、まだいろいろ事繁くしてその本意を果....
デモクラシーの要素」より 著者:新渡戸稲造
健な実着な思想といわんよりは寧《むし》ろローマンチックな奇抜な事を言い出したので田夫野人も趣味を以てこれに耳を傾け、従ってその説の弘まり方も非常に早く、その代り....
自由の真髄」より 著者:新渡戸稲造
いいたい。魂は身体より遥に大なるものである。世の中で何の名もなく位もないいわゆる田夫野人《でんぷやじん》であっても、その思うところ欲するところは王侯貴族に劣らぬ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
とるのだ。武者修行をして歩けば今の社会では到るところで衣食に事を欠くことはない。田夫野人でも武術には関心をもっているからだ。寺院へ頼っても渡れるし、あわよくば地....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
一言一句、この少年のことばには、奇骨がある。 父という仏も、察するに、凡の田夫野人ではなかろう。由縁ある者の末にちがいはない。 武蔵は彼のことばに任せ、....
三国志」より 著者:吉川英治
から村の老幼や、女子どもまで走りでて、路傍に坐り、彼の姿を拝して、涙をながした。田夫野人と呼ばれる彼らのうちには、富貴の中にも見られない真情がある。人々は、食物....
私本太平記」より 著者:吉川英治
しぼって。 「ここにおわせられるは、ただ人ではないぞ。よも、なんじらとて、文盲の田夫野人でもあるまいが」 「人でなくば、いったい何だ。まさか変化でもあるめえに」....