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田植
「田植〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
田植の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
を代表している、その中でも農鳥山の名を忘れてはならぬ、一体甲府辺の人たちは、春の
田植えや、また秋の麦蒔きなどを、「農をする」といっている、この二期には、山の雪が....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
* * * 省作は
田植え前|蚕の盛りという故郷の夏をあとにして成東から汽車に乗る。土屋の方からは、....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
くなっていた。彼女は、何故か、不潔で、くさく、キタないように見えた。 まもなく
田植が来た。親爺もおふくろでならした。雨がやむと、蒸し暑い六月の太陽は、はげしく....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
の水で冷え切った身体は岩間の温泉で温める。馬にさえ「馬の温泉」というものがある。
田植で泥塗れになった動物がピカピカに光って街道を帰ってゆく。それからまた晩秋の自....
「死者の書」より 著者:折口信夫
の慰みに呼び入れられて、板屋の端へ来た。当麻の田居も、今は苗代時である。やがては
田植えをする。其時は、見に出やしゃれ。こんな身でも、其時はずんと、おなごぶりが上....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
た。 ところがな、ついこの頃、石動在の若者、村相撲の関を取る力自慢の強がりが、
田植が済んだ祝酒の上機嫌、雨霽りで元気は可、女|小児の手前もあって、これ見よがし....
「水の女」より 著者:折口信夫
別けしてみると、鎮花祭の後すぐに続く卯月八日の花祭り、五月に入っての端午の節供や
田植えから、御霊・祇園の両祭会・夏神楽までも籠めて、最後に大祓え・盂蘭盆までに跨....
「物のいわれ」より 著者:楠山正雄
まだにそれは血のように真っ赤な色をしているのです。 猿と蟹 ちょうど
田植え休みの時分で、村では方々で、にぎやかな餅つきの音がしていました。山のお猿と....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
れる。五日には大神事として、八基の神輿が暗闇の中を御旅所に渡御とある。六日には御
田植があって終るので、四日間ぶっ通しの祭礼を当込みに、種々の商人、あるいは香具師....
「錦紗」より 著者:犬田卯
良着だけは和一が買って来たら……」という母親に対して、「ばかな、俺ら今年は裸体で
田植だ」なんて罵ったくせに、あとでは二反買うのか一反でいいのかなどと聞いていたく....
「米」より 著者:犬田卯
したばかりのおちえまで学校を休ませ、そして留守居させての、文字どおり一家総動員の
田植作業であった。旱魃を懸念された梅雨期の終りの、二日間打つづけの豪雨のおかげで....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に和倉の有名なのがある国です。近ごろでは、まあ精々在方の人たちの遊び場所、しかも
田植時にかかって、がらんとしていると聞いて、かえって望む処と、わざと外浜の海づた....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ありますから後に致す事として、この道筋で面白く感じた事は、その雨の降って居る中で
田植をして居る。米が沢山出来て日本の米と同じように非常にうまい。インド米といえば....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
すけていたが、やつぱり上背のある眼鼻立のキリツとした佐太郎にちがいなかつた。 「
田植済んだら、ゆつくり、一杯やろうな、同窓生集つて――」 また後でというように....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
はつとに解放されて、もはや今日では何人もこれを嫌がるものはない。質朴な農民等は、
田植休みや秋祭の際に、氏神の社頭で人形芝居を豊楽に興行し、自ら彼らの仲間となって....