田楽[語句情報] » 田楽

「田楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

田楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
をくぐった。吉原へ行こうか、行くまいか、分別がまだ確かに決まらないからであった。田楽豆腐と香の物で彼はさびしく酒を飲んでいた。今夜に限って、吉原へ行くのがなんだ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
はそこで出た料理の中で、焼蛤の皿に紅梅の蕾が添えてあったことや、青竹の串に差した田楽の豆腐に塗ってある味噌に木の芽が匂ったことを想い出して話した。 「日本人は実....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
元は今から大高に移ろうとして桶狭間に向った」旨を報じた。間もなく更に一人が義元の田楽狭間に屯した事を告げ来った。政綱、信長に奨めるには義元今までの勝利に心|驕っ....
古狢」より 著者:泉鏡花
「気取ったな。」 「はあ。」 「一体こりゃどういう事になるんだい。」 「慈姑の田楽、ほほほ。」 と、簪の珊瑚と、唇が、霞の中に、慈姑とは別に二つ動いて、 「....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
木を向うに見て、松毬のちょろちょろ火、蛤の煙がこの月夜に立とうなら、とんと竜宮の田楽で、乙姫様が洒落に姉さんかぶりを遊ばそうという処、また一段の趣だろうが、わざ....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
むかしは鰻の口より尾の方へ竹串を通して丸焼きにしたること、今の鯰このしろなどの魚田楽の如くにしたるよし聞き及べり。大江戸にては早くより天下無双の美味となりしは、....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ない。枕もとには重恩の家の子、老若の女房ども、新古参の盲法師、歌連歌の者、さては田楽、ばさらの者、入り代り立ち代りに詰め切って、ひたすらその機嫌を取ることに努め....
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
、これを霊獣化したとだけでは解釈されない。けだしもと鹿供養の意味から起った一種の田楽的舞踊で、それがシシ踊りと呼ばるる事から遂に獅子頭とまで転訛するに至り、しか....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
の遊芸に従事していた趣きに見えているが、鎌倉時代にはその遊芸に従事する方は猿楽・田楽・呪師・放下等の類に変って、傀儡の名ではあまり呼ばれなくなったと見え、塵袋に....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
書に見えているものであった。師守記貞治三年六月十四日条に、祇園の犬神人たる弦差と田楽法師との喧嘩の事を記して、 田楽与犬神人有外也。 とある。ここに坂者とは、....
」より 著者:岡本かの子
うだ、この黄昏の冬木立を賞美しながら、雑司ヶ谷あたりまで行かんか。あすこなら、芋田楽なり雀焼なり、何ぞ肴が見付かろう。 ――そういう風流気はないが、貴公行きたけ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
た大和|猿楽師の中、観世座の観阿弥・世阿弥父子が義満の寵によって、京都に進出し、田楽の座の能や、諸国の猿楽の座の芸を追い抜いて、後世に伝わる能楽の輪廓をほぼ作り....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
り自村の氏神祭のみならず、他村の氏神祭にも招かれて出かけて行くのだという。けだし田楽の遺物で、三月号に紹介した宇和島の鹿の子踊りや、豊橋の鬼祭のような類で、昔は....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
言狂言が、今以て念仏狂言と云っているところに、これもその起原が窺われる。このほか田楽、猿楽、万歳などの芸能に従事するものも、もと田楽法師、猿楽法師、千秋万歳法師....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
れていなかったのである。かくてついには餌取法師・散所法師・長吏法師・法師陰陽師・田楽法師・猿楽法師・千秋万歳法師・琵琶法師等、その他何々法師と呼ばれるものが多く....