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田畑
「田畑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
田畑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
この夜も姉は予と枕をならべて寝る。姉は予がくるたびにいつでもそうであるのだ。
田畑のできばえのことから近隣村内のできごとや、親類のいざこざまで、おもしろかった....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
勢で出掛けました。皆知っておいでだろう。空は高し、渡鳥、色鳥の鳴く音は嬉しいが、
田畑と言わず駈廻って、きゃっきゃっと飛騒ぐ、知行とりども人間の大声は騒がしい。ま....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
黒潮の黒い旗は、黒雲の峰を築いて、沖から※と浴びせたほどに、一浦の津波となって、
田畑も家も山へ流いた。片隅の美女の家へ、門背戸かけて、畳天井、一斉に、屋根の上の....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
を、こいつら……大みそかの事を忘れたか。新春の読ものだからといって、暢気らしい。
田畑を隔てた、桂川の瀬の音も、小鼓に聞えて、一方、なだらかな山懐に、桜の咲いた里....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
一様に青葉して、梢が深く、枝が茂った。一里ゆき、二里ゆき、三里ゆき、思いのほか、
田畑も見えず、ほとんど森林地帯を馳る。…… 座席の青いのに、濃い緑が色を合わせ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
前がここに留まることを欲しない。お前は人生に疲労と嫌悪とを吹き込むものだ。お前は
田畑の蛆虫のように、歓喜に満ちた穂をいぶかしそうに見詰めながら、絶望と苦悩のよだ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
ら理窟だけは解った。が、いぜんとして分らないのは、やはりそれらの残存面積を除いて
田畑そのものが成立せず、ちょっとした雨降りにさえ耕土が押し流されてしまうだろうと....
「瘤」より 著者:犬田卯
たら見ろっちだから、理事様らの身代百あわせたって足りやしねえから……組合員の田地
田畑根こそぎ浚っても、まだまだ足りねえから……」 「どうしてまたそんなことに――....
「米」より 著者:犬田卯
来るんだねえか――」 おせきはとにかく家付娘として、祖先から伝った屋敷や若干の
田畑――作り高の三分の一にも当らなかったが――だけは自分の名儀で所有していた。婿....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
いっしょに、その一室きりない草葺家に暮していたのであった。彼はほんの少しばかりの
田畑を小作しているとのことだが、むろんそれだけで足りようはずはなく、養蚕時はその....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
うな、時々|高笑をする村の若衆の声もしていたのが、やがて、寂然として、月ばかり、
田畑が薄く光って来ました。 あとまだ一里|余、この身体を引摺って帰った処で、井....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
あるを、いやが上に荒れ果てさして、霊地の跡を空しゅうせじとて、心ある市の者より、
田畑少し附属して養いおく、山番の爺は顔|丸く、色|煤びて、眼は窪み、鼻|円く、眉....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
らが故郷ですと云うと、先生は何と言いました。あの大潟と海とが空に浮いて、目一杯に
田畑の展けた果に、人家十万余のあるのを視て、(これは驚いた……かねて山また山の中....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
郊行一首を得たり。 歩入天南米春。 (とある村に立ち入れば草の色も新たに、牧野も
田畑も家をめぐって緑一色に塵もない。連なる山々はみな千年の雪をいただき、その白さ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
拾ってからは大変|賑やかな幸福な家になってしまいました。しかし太郎右衛門の家には
田畑もないのに、子供が一人|殖えたので、貧乏は益々貧乏になりました。しかし太郎右....