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田舎臭い
「田舎臭い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
田舎臭いの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
格の女で、リモオジュから主婦の手伝いに巴里へ出て来たばかりの頃《ころ》はいかにも
田舎臭い娘であったが、その人がもう一度田舎の方へ帰って行く頃には見違えるほど巴里....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
が汗を流して提《ひっさ》げて来た酒瓶と樽にはレッテルも何もなく、きわめて粗末な、
田舎臭い熨斗紙《のしがみ》が一枚ずつ貼り付けて在《あ》る切りであった。一口味わっ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
人影を気にしたり、カフェの入口の棕梠竹を無慈悲に毟り取ったりした。それがどうやら
田舎臭い感じを与えて、かの女に失望の影をさしかけた。高い暗い建物の下を通るときは....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、何を思いついたか足を早めて鳥居の外へ急いだ。と、その辺にしゃがんでいた見るから
田舎臭い、真黒な日に焼けた中年の男が、脂だらけの煙管をポンとはたいて、腰に差した....
「家」より 著者:島崎藤村
や机が置いてある。その隣に書生の部屋がある。割合に広い住居ではあったが、なにしろ
田舎臭い処であった。 停車場前で頼んで置いた荷物も届いた。夫婦は未だ汽車で動ら....
「十五年間」より 著者:太宰治
来たかを書きしたため、また「東京八景」以後の大戦の生活をも補足し、そうして、私の
田舎臭い本質を窮めたいと思った。 私が東京に於いてはじめて発表した作品は、「魚....
「ソヴェト「劇場労働青年」」より 著者:宮本百合子
り込んで潤いのある情熱的な演出だった。難かしいことを云えば技術的に未だ未熟だし、
田舎臭いところもありはするがトラムにはそう云う欠点を片端から克服して行くだけの唯....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
》の前へ飛び出して、特別な身ぶりで『ロシア踊り』を踊った。それは女房どものような
田舎臭いものと違って、彼女が富裕なミウーソフ家で女中をしていたころ、モスクワから....
「日記」より 著者:宮本百合子
りにぎやかだ。国分町、東一番町が中央のさかり場になって居るらしい。人通りは多いが
田舎臭いところが町の隅々にころがって居る。どことは云えないが田舎くさい。丸善で『....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
ないと云う事を却って軽蔑のたねにする、即ち其の膏汗で自分等の力を養ってくれた親の
田舎臭いのを恥じる、成上り者共の多い文壇の事である。五人や十人の、篤志なしかし無....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
絣《かす》りの着流しに八字髭《はちじひげ》を生《はや》しながらその顔立はいかにも
田舎臭い四十年配の男が一人、妾《めかけ》風の大丸髷《おおまるまげ》に寄席《よせ》....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
《と》をあけて内《なか》へ入った。白っぽい浴衣《ゆかた》に兵児《へこ》帯をしめ、
田舎臭い円顔に口髯《くちひげ》を生《はや》した年は五十ばかり。手には風呂敷に包ん....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
安っぽくて貧弱で、田舎臭くてね。どうしても第三流的な感じだよ。併しその第三流的な
田舎臭いところが僕には好きなんだ。親しみ易くてね。』 『ふふん。』友達は微かな冷....