田舎芝居[語句情報] » 田舎芝居

「田舎芝居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

田舎芝居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
とり、たのしみ給え。世の中、すこしでも賑やかなほうがいいのだ。知っているだろう?田舎芝居、菜の花畑に鏡立て、よしずで囲った楽屋の太夫に、十円の御祝儀、こころみに....
みちのく」より 著者:岡本かの子
来た。四郎の人気はだんだん落ちて、この頃では、白粉《おしろい》や紅を塗《ぬ》って田舎芝居《いなかしばい》で散々|愚弄《ぐろう》される敵役《かたきやく》に使われて....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
、沖へとチャンスを取りに出かけた留守であった。 おばさんはいた。下手《へた》な田舎芝居《いなかしばい》の女形《おやま》を思わせる色の黒い、やせたヒョロヒョロの....
旅愁」より 著者:横光利一
た。遠く向うの海岸のトンネルの中から、貨物列車のぞろぞろ出て来る姿を見ると、彼は田舎芝居を見ているような、道化た煙草好きの男を何んとなく思い出した。そして、あれ....
先生への通信」より 著者:寺田寅彦
下稽古でおそくなってやって来ました。この人はいつでも忙しい忙しいといっています。田舎芝居で毎日変わった物を演ずるので、下読みが忙しいそうです。ある日、いつも外出....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ていそうなものと、誰彼を八ツ当りに恨みながら見れば見るほど舞って居るのは、本国の田舎芝居の与一と定九に相違ないので、雪降りの山崎街道も聞き及ばねば、竹田|出雲《....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
も起こる現象だと見当つけねばなるまい。 かつてドイツに反ナチ的書籍の焚書という田舎芝居が演ぜられた時、日本ではもう少し真面目(?)な滝川教授事件が発生した。今....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ものが搦んでさ、髻を掴んで、引きずって、火箸で打たれました、などと手紙を寄越す、田舎芝居の責場があるから。」 「いや、はや、どうも。いや、どうも。」 屋根の雪....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
府で失策《しくじ》った能登守という殿様は、いま江戸にも姿が見えねえのだ、そうして田舎芝居の盲景清《めくらかげきよ》のように、恨《うら》みの衣裳を引張り廻してみた....
栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
て片手を畳に突いた。 ガリガリと簪《かんざし》で髷の根を掻いて居る様子はまるで田舎芝居の悪役の様である。 あまり怒って言葉の出ない栄蔵は、膝の上で両手を拳に....
帝展を見ざるの記」より 著者:寺田寅彦
ないとは云われなかった。それからゴーホを煮しめたとでも云ったしょうな「深草」や、田舎芝居の書割を思い出させる「一力」や、これらの絵からあらを捜せばいくらもあるだ....
犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
先生は、今度は手巾《ムウショアール》の端を口に銜《くわ》えて、手で引っ張る。田舎芝居の新派の女形《おやま》が愁嘆するような、なんとも嫌らしい真似をする。もっ....
余齢初旅」より 著者:上村松園
。日本の能の道具のような象徴的なものであった。 もっとも芝居は蘇州でもちょっと田舎芝居をみた。南京から帰る蘇州特務機関長に汽車の中でおめにかかったのであったが....
中支遊記」より 著者:上村松園
たりした。菊はほとんど私の肩にも及ぶほどであった。 此処では妙なことから支那の田舎芝居の楽屋で写生帖をひらいたりした。 お迎えをうけた特務機関長がお話好きで....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
しゅぼね》の雪洞《ぼんぼり》が造り花の間に連ねともされ、銀座の町が宛《さなが》ら田舎芝居の仲《なか》の町《ちょう》の場と云うような光景を呈し出したのは、次の年の....