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田舎言葉
「田舎言葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
田舎言葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
入った。それじゃ僕《ぼく》も二十四でお嫁をお貰いるけれ、世話をしておくれんかなと
田舎言葉を真似《まね》て頼んでみたら、お婆さん正直に本当かなもしと聞いた。 「本....
「骨董」より 著者:幸田露伴
骨董というのは元来|支那の
田舎言葉で、字はただその音を表わしているのみであるから、骨の字にも董の字にもかか....
「縮図」より 著者:徳田秋声
と、もう八時半で、階下からラジオ・ドラマの放送があり、都会で型にはめて作った例の
田舎言葉でお喋りをしているのが、こんな山の中で聞いていると、一層|故意とらしく、....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
葉子が一緒にいないのが何となく心寂しかった。母親も話はよくする方だったが、彼女の
田舎言葉は十のうち九までは通じないのであった。 幕数が進むに従って、庸三はよう....
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
として、好意に満ちた副島氏の紹介につれて、壇に上せられた自分が、どうしてこんな、
田舎言葉が分らないと、白状出来よう、こう云って、正隆の頼りない、孤独な自尊心が呻....
「惜別」より 著者:太宰治
いい言葉を使ってみせるのも、気恥かしいのである。これは田舎者だけにわかる心理で、
田舎言葉を丸出しにしても笑われるし、また努力して標準語を使っても、さらに大いに笑....
「三つの挿話」より 著者:堀辰雄
しゃべっているのをぼんやりと聞いていた。いつもは私の聞きづらがっている、それらの
田舎言葉さえ、何んだか遠い見知らない土地に来てそれを聞いてでもいるかのように、私....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いのではないでしょうか。 咲枝、太郎は二十六日ごろかえって来る由。太郎すっかり
田舎言葉で「いがねえか」など尻上りに云っている由。 この間私に国府津へでも行く....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
マア、太郎ったら。すっかり田舎っぽい日にやけた顔色になって、落付いた少年ぽさで、
田舎言葉で、見ちがえるようです。よかったこと。黙って大にこにこで。早速裏の親友ミ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
して、修道院長様の面前で、かなりごたごたしたしかもきわめて意味の深いおしゃべりを
田舎言葉《いなかことば》でやり出した。彼はくどくどと、老年であること、身体がよく....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ねえなどと言っていた。エークスのクーグールド結社に属する青年らは、最後にも一度|
田舎言葉《いなかことば》を急いで口にしておこうと思ってるかのように、いっしょに集....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
想した。 彼等は嫁が傍にいると、自分達同志の間でも自由に口がきけなかった。変な
田舎言葉を笑われそうな気がした。 女事務員が為吉にだけは親切だったように、園子....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
の毒をしました』と、浅野すかさず『鼻はだ迷惑いたしてござりす』ござりますを仙台の
田舎言葉で浅野さんはござりすと言いました。しばらくはこの真面目な人の洒落で一同笑....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
居や喜劇や放送劇や浪花節や講談や落語や通俗小説には、一種きまりきった百姓言葉乃至
田舎言葉、たとえば「そうだんべ」とか「おら知ンねえだよ」などという紋切型が、ある....
「申訳」より 著者:永井荷風
さん」と云い、「おかアさん」と云い、或は略して、「とうさん、かアさん」と云うのは
田舎言葉から転化して今は一般の通用語となったものである。薗八節の鳥辺山に「ととさ....