田螺[語句情報] » 田螺

「田螺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

田螺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海異記」より 著者:泉鏡花
「やっぱり居ら、居るどころか、もっと居ら、どしこと居るぜ。一つかみ打捕えて、岡田螺とか何とかいって、お汁の実にしたいようだ。」 とけろりとして真顔にいう。 ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、蒲公英なぞ摘みに来る。紫雲英が咲く。蛙が鳴く。膝まで泥になって、巳之吉亥之作が田螺拾いに来る。簑笠の田植は骨でも、見るには画である。螢には赤い火が夏の夜にちら....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
同 お姫様。(と諸声凄し。) 白雪 人間は? 姥 皆、魚に。早や泳いでおります。田螺、鰌も見えまする。 一同 (哄と笑う)ははははははは。 白雪 この新しい鐘ヶ....
紅玉」より 著者:泉鏡花
ったが、虹の目玉と云う件の代ものはどうだ、歯も立たぬ。や、堅いの候の。先祖以来、田螺を突つくに練えた口も、さて、がっくりと参ったわ。お庇で舌の根が弛んだ。癪だが....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ねえ逆気性でね、おまけに、しつこい、いんしん不通だ。」 「何?……」 「隠元豆、田螺さあね。」 「分らない。」 「あれ、ははは、いんきん、たむしだてば。」 「乱....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
紅い帯が、ふと紅の袴のように見えたのも稀有であった、が、その下ななめに、草堤を、田螺が二つ並んで、日中の畝うつりをしているような人影を見おろすと、 「おん爺いえ....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
、何うやら斯うやら身体を洗い、着物を着替えたが、袂から鰌が飛出したり、髷の間から田螺が落ちたり致しました。 茂「もう只ア置かねえ、彼奴等を殺して己も其の場で腹を....
小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
と、この虫の別名として「木螺」というのがあった。なるほど這って行く様子はいかにも田螺かあるいは寄居虫に似ている。それからまた「避債虫」という字もある。これもなか....
次郎物語」より 著者:下村湖人
げられた畑の泥の中には、小鮒がぴちぴち動き、隅の方の泥のよどんだところには、もう田螺がそろそろと這い出していた。 「受籠の方はどうだったい。ちっとは這入ったかね....
雑信(一)」より 著者:種田山頭火
を持て余していますように、 我に小《ち》さう籠るに耳は眼はなくも 泥田の田螺|幸《さち》もあるらむ 突然ですが、少しく事情があって当分の間、俳句、単....
雑信(二)」より 著者:種田山頭火
すが左記に依り御投書を願います。(編集其他の事項に就ては近々回章を出します。――田螺公) 五首ずつ集 最近作 二月末日〆切 五首 ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
る。 彼が小川の側に坐って、幼い時のことを回想した。めだかを瓶の中に飼うたり、田螺を釣ったりした六つ七つの時が恋しい。鰌が土の底から首を出した。源五郎虫が水の....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ところで、また、白日光耀の下で、形もない鰌の、日のこぼれの、藻屑の、ころころ田螺の、たまには跳ね蝦の立鬚まで掬おうとして、笊をかろく、足をあげ、手で鼻をつま....
田螺」より 著者:北大路魯山人
もない。しかし、蕪村の句と伝えるものに、こんなのがある。 よく聴けば桶に音を鳴く田螺哉 して見ると、蕪村は煮られる前の桶の中のたにしの声に聞き入ったものか、こ....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
みましたが、いろいろ考えて句にならぬ末、ふと最前から目についていた、向こうの田に田螺を掘っているのであろう、二、三人の女が泥の中に足を突っ込んで腰をかがめている....