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甲乙
「甲乙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甲乙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
尺竿頭一歩《ひゃくせきかんとういっぽ》を進めて、同じく屁を垂れるから、君も彼等と
甲乙のない天才だと号するのも洒落《しゃ》れているぜ。」
「大井君、よし給えよ。」....
「星座」より 著者:有島武郎
路《ようろ》の位置についたというのだ。清逸はそれを聞いた時、木下藤吉郎の出世談と
甲乙のないほど卑劣不愉快《ひれつふゆかい》なものだと思った。実力がないのではない....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
うとする) 甚兵衛 なんやと、騒動のときに、石を投げた者ないかいうのけ。 村年寄
甲乙 そうじゃ。そうじゃ。 甚兵衛 (子供のごとく無邪気に)わしゃ投げたぞ。 村....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
まァこっちへ入り給え」黄色い外套を着た同志は云った。 其時この二つの公衆電話の
甲乙とも相手のベルが喧しく鳴っていた。 甲の方の電話は、一町半ほど先の洋食屋の....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
ならないのよ。」 「いや、ものに誘われて、何でも、これは、言合わせたように、前後
甲乙、さっぱりと三人|同時だ。」 「可厭ねえ、気味の悪い。」 「ね、おばさん、日....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
ことをよろこびあった。 さていよいよ第五夜がやってきた。 決死隊は、ふたたび
甲乙の二組にわかれ、闇の中をいさみ出発した。戦闘につかうものだけを持ち、他はみな....
「入れ札」より 著者:菊池寛
すまなかった。皆一様に、自分のために、一命を捨ててかかっている人々の間に、自分が
甲乙を付けることは、どうしても出来なかった。剛愎な忠次も、打ち続く艱難で、少しは....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
わしいことでござるのう。 (二人は籠をたずさえてとぼとぼとあゆみ去る。浜のわらべ
甲乙丙の三人いず。乙は赤き蟹を糸に縛りて持ったり。) 童乙 どうじゃ。平家蟹はま....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
徳 なに、こっちは四人だから大丈夫だ。さあ、行け、行け。 (會徳は男の縄を取り、
甲乙丙も付き添いて、入口の扉をあけて下の方へ去る。中二は父と母とに抱かれながら瞑....
「妖怪学」より 著者:井上円了
の思想のこれに伴って起こるを見る。これを思想の連合と名づく。例えば、上図のごとく
甲乙丙丁四個の思想ありと想定するに、各個互いに相連結して一団の虚想を形成するなり....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
互いに連結するありて、甲の思想には甲の運動を現じ、乙の思想には乙の運動を現じて、
甲乙相混ぜざるはいかなる理によるというに、これまた、さきに挙ぐるところの習慣連想....
「影」より 著者:岡本綺堂
くおいでなさいよ。 青年甲 じゃあ、行こう。 青年乙 むむ。行こう。 (
甲乙は行こうとする時、奥のかたにてピストルの音きこゆ。人々は顔をみあわせる。) ....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
これが一万円、これが三万円、これが十万円と区切りして並べるということになりますと
甲乙がよく分るのであります。これはみなさんが、失礼なお話をするようでありますが、....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
食える。大方の青年層はふんだんに食えれば、それで大満足というわけだから、寿司屋の
甲乙丙はまず分るまい。寿司談義は小遣銭が快調にまわるようになり、年も四十の坂を越....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
本体とあがむべきだと考えたり、勅撰和歌集は何れもありがたいもの故、どれもその点で
甲乙はないとして、『古今集』から『千載集』までの七集の註を同じようにつくるという....