甲府[語句情報] » 甲府

「甲府〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

甲府の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
するほど嬉しかった。彼女はいつもこの強いひとみに魅せられるのであった。 「しかし甲府勝手《こうふがって》と来ると、少しむずかしい」と、男はまた投げ出すように言っ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たもんぜん》に巣を食っていた奴だ」 「女のくせに草鞋《わらじ》をはきゃあがって、甲府から郡内の方をうろ付いて、それから相州の厚木の方へ流れ込んで、去年の秋頃から....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。その塚田弥之助というのは、今年二十二の若い人で、正月いっぱいに江戸を引き払って甲府勤番ということになりました。仕様のない道楽者であるために、いわゆる山流しで甲....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
衛門の兄弟は親代々の猟師で、甲州の丹波山とかいう所からもっと奥の方に住んでいて、甲府の町すらも見たことのない人間だったそうですが、なにか商売の獣物を売ることに就....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
前の方の店はどうだい」 「駄目ですね。新宿が近いのですが、よくありませんね。寧ろ甲府方面へ出ます。この鼻緒商売も、不景気知らずの昔とは、大分違って来たようですね....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 ◯七月一日より五日まで、山梨県下に甘藷二十七億貫植付の激励講演をして廻った。甲府市には二日、三日、四日といた。その二日後の六日夜にはB29の大編隊が来て、市....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
寄せて相談の上、お大にむかってもいよいよ駈け落ちの相談を始めました。自分の育った甲府には、おふくろがまだ達者でいる。ひとまず其処へ身を隠そうと云うことにして、お....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
だという、有名な中川|帯刀もやはりこの番士の一人でした。 そんなわけですから、甲府詰などとは違って、江戸の侍の大阪詰は決して悪いことではなかったので、今宮さん....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
いられ「みだれ懸りの竜の旗」と云われた。 海津城の高坂昌信は、狼烟に依って急を甲府に伝え、別に騎馬の使を立てて、馬を替えつつ急報した。自らは、城濠を深くして、....
獄中記」より 著者:大杉栄
の見える、例の細い眼をちょっと光らせて見て、 「そうだ、たしかに大阪だ、それから甲府にも一度はいったことがあるな。」 とまた独りでうなずいた。 「違いますよ、....
続獄中記」より 著者:大杉栄
、よく僕の室の錠前の掃除をしに来たので、その当時から知っていた。初め窃盗か何かで甲府監獄にはいっていたのを、看守等と大喧嘩して、そのために官吏抗拒に問われて東京....
木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
トルを掴んでいた。 「その旅人は何者なんです。」と、わたしは訊いた。 「なんでも甲府の人間だそうです。」と、重兵衛さんは説明してくれました。「それから一週間ほど....
」より 著者:岡本綺堂
いというので、両親はわたくし共を連れて旅かせぎに出ました。まず振出しに八王子から甲府へ出まして、諏訪から松本、善光寺、上田などを打って廻り、それから北国へはいっ....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
る所に移り、ここに一家を借りて住す。駒橋は大目村より道程およそ四、五里を隔てて、甲府街道に沿える村なるが、いかなる故にや、「とく」は近来しきりに、大目村を去りて....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
駅前の哀れな宿屋に二晩泊ったが、折あしく雨が続くのでそこを去った。そしてその夕、甲府を経て右左口にゆく途中で、乱雲の間から北岳の一角を見て胸の透くのを覚えた。 ....