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「甲府勤番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

甲府勤番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。その塚田弥之助というのは、今年二十二の若い人で、正月いっぱいに江戸を引き払って甲府勤番ということになりました。仕様のない道楽者であるために、いわゆる山流しで甲....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た後で、伊太夫は一人でやはり腕を組んで考えていました。もとは何千石のお旗本、今は甲府勤番の組頭、それにあの娘が貰われて行くことは、家にとって釣合わぬことではない....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。また兵馬に向って身分と姓名とを尋ねました。その時、兵馬は答えました。 「甲府勤番支配駒井能登守の家中、和田静馬と申す者」 「ナニ、貴殿が和田静馬殿と申さ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で見たことのある……と思った瞬間に叫びました。 「ムク」 おお、これはムクだ。甲府勤番支配であった時、わすれもせぬお君の愛犬。その人にも、この犬にも、無限の思....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、花婿が花嫁の里帰りから帰るのを待ち兼ねているところへ、花嫁は帰らないで、不意に甲府勤番の侍が二人、数人の従者を引連れてやって来ました。 こは何事と驚く表から....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
手を出す者もなかったのを竜之助が察して、 「心配することはない、これはほんものの甲府勤番の神尾主膳ではない、偽《いつわ》り者である、その証拠には自分がほんものの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
口説《くど》き落すには妙を得ている」 「駒井も駒井だが老中も老中だ、いったい我々甲府勤番を何と心得ている。なるほどいずれも相当にしたい三昧《ざんまい》をし尽した....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
笠の面《おもて》を振上げたその中の人を見て、驚いてしまいました。その人は、もとの甲府勤番支配、駒井能登守に相違ないと思ったからです。 それとは知らない二人づれ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
破牢を遂行して、その行きがけの道づれに宇津木兵馬をも拉《らっ》して去り、はからず甲府勤番支配駒井能登守の邸内に逃げ込んだことも既報の通りであります。 こうして....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。 初めの二日は古例によって、甲州一国の選ばれたる人と馬――あとの一日は甲府勤番の士分の者。それに附随して神楽《かぐら》もあれば煙花《はなび》もある、道....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 と駒井が厳然としていいました。 しかし、この遊民どもは、駒井が前《さき》の甲府勤番支配であって、ともかくも一国一城を預かって、牧民の職をつとめた経歴のある....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
もと》にやっている仕事でございます、しかも作業の発頭人《ほっとうにん》は、もとの甲府勤番支配駒井能登守殿であるらしいことが、意外千万の儀でございました」 それ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て下さらあ、縁は異なもの味なもので、人間業に行って行かねえやつなんだ、早い話が、甲府勤番支配駒井能登守が、この大海原の真中の離れ島の椰子の木の下で、おれの娘分の....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
壺を借りたその日から、トントン拍子に出世されたそうだ。……で、この壺はそれ以来、甲府勤番御支配頭の、保管に嘱していたものだそうな。そうして甲府城の土蔵の奥に大切....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
という輩《てあい》とばかり交際《つきあ》っているので、叔父の庄兵衛がもてあまし、甲府勤番の株を買ってやったが、なにしろ、甲府というところは山ばかり。勤番衆といえ....