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甲種
「甲種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甲種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「錯覚の拷問室」より 著者:佐左木俊郎
のその洋服は吉川《よしかわ》訓導のだった。 吉川訓導は高等科を受け持っていた。
甲種の農学校を卒業してから、さらに一か年間県立師範学校の二部へ行って訓導の資格を....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
百世の下、史乗にその跡を留む。しかれども今日より仔細にその事実を観察するときは、
甲種の論派に入るもの豈に必ずしも勤王愛国の士のみならんや、あるいはふたたび元亀天....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
こういう機会を何時でも利用しなければならなかった。笠原は工場長の助手をしていた。
甲種商業学校出で、マルクスのものなども少しは読んでいるらしかった。 そこからは....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は逞しく顔は子供※した若者が、此村からも彼村からも府中に集まる。川端の嘉ちゃんは
甲種合格だってね、俺が家の忠はまだ抽籤は済まねえが、海軍に採られべって事だ、俺も....
「謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
共何とかして謡曲の御利益を納得させて、あわよくば一曲御所望を云わせてやろうと思う
甲種熱心家が「でも高尚ではありませんか」と切り込むと、その返事は大抵「でもあの声....
「魔像」より 著者:蘭郁二郎
れではないか!) 「ふ、ふ、もう顔色が変ってきたな。僕は浅草で逢った時から君の『
甲種合格』の体に惚れていたんだ……どうだい気分は、さっきの水は味がヘンだったろう....
「秋風記」より 著者:太宰治
潰乱全線に総退却。 Kは号外をちらと見て、 「あなたは?」 「丙種。」 「私は
甲種なのね。」Kは、びっくりする程、大きい声で、笑い出した。「私は、山を見ていた....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
に上ることがある。そういう場合に、科学者にいろいろの種類があることがよくわかる。
甲種の科学者は頭から黒焼きなんかきくものかと否定してかかる。蛇《へび》でもいもり....
「今日の耳目」より 著者:宮本百合子
すのであろう。 昭和十一年三月という、今日では殆ど用に足りない古い統計でさえ、
甲種実業学校の入学志願者は十九万人近く、入学者は十万五千三百九十八人という数を示....
「若きいのちを」より 著者:宮本百合子
或る工業地帯が故郷である若い人が、この間の徴兵検査で、一年前肺炎をやっている体で
甲種になって、おどろいている。自分がその体で
甲種になったおどろきは、同じとき裸に....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
神戸に亘って、シェパードを軍用犬の種犬として買い上げるために徴兵検査を行ったが(
甲種合格十四頭)、シッポの振り方をよく教育されていないために内地の街頭でウロウロ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
から、まずこの王国に現在集まっているところの人種を、次のように大別してみました。
甲種―胆吹王国の主義理想に共鳴して、これと終始を共にせんとする真剣の同志 乙種―....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
う事で、これも私どもの担任する所となった。そうして宮内省からの需めにかかるものを
甲種とよび、その他の事蹟を乙種とよんで、共に材料を集める事になったが、残念な事に....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
べるのに手間どったがついにたずね当てることが出来た。墓は多磨墓地第二区八側五〇番
甲種で、墓石の裏には大正十四年八月一日二代清三郎建之と刻してある。この二代鹿島清....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
罪の前には問題ではありません。しかしてこの企てには見事に成功し、私は高辻清という
甲種自動車運転手の免許証を立派に持つことが出来たのです。 ところで第一に考えた....