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「申出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

申出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
の夫婦は幾度も事務所に行って早く広岡を退場させてくれなければ自分たちが退場すると申出た。駐在巡査すら広岡の事件に関係する事を体《てい》よく避けた。笠井の娘を犯し....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
へ越してから十四、五年になる。――あの時、雀の親子の情に、いとしさを知って以来、申出るほどの、さしたる御馳走でもないけれど、お飯粒の少々は毎日欠かさず撒いて置く....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
としないであろう。少くともかかる理不尽な生活を無くなすように、お前の個性の要求を申出すだろう。お前のかくすることは、無事ということにのみ執着したがる人間の生活に....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
春の山――と、優に大きく、申出でるほどの事ではない。われら式のぶらぶらあるき、彼岸もはやくすぎた、四月上旬....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
し遅くなって帰ろうとすると、Yは泊ってゆけとしきりにとめるのです。私はその無茶な申出に驚いていました。さすがにMさんは、 「こんな処に泊めちゃ迷惑じゃないか。」....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
所は信州|姨捨の薄暗い饂飩屋の二階であった。――饂飩屋さえ、のっけに薄暗いと申出るほどであるから、夜の山の暗い事思うべしで。……その癖、可笑いのは、私たちは....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
た事を、昔話のように聞いていた。 ――家は、もと川越の藩士である。御存じ……と申出るほどの事もあるまい。石州浜田六万四千石……船つきの湊を抱えて、内福の聞こえ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、どれも札をつけて預りました穿物ばかり、それらしいのもござりませぬで、希有じゃと申出しますと、いや案内に立った唯今の女は、見す見す廊下をさきへ立って参ったという....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るから、そなたもその覚悟で居てもらいたい。又何ぞ望みがあるなら、今の中に遠慮なく申出るがよい。無理のないことであるならすべて許すつもりであるから……。』 漸く....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
便なるを認めたることならん、病と称し飄然熱海に去りて容易に帰らず、使を以て小栗に申出ずるよう江戸に浅田宗伯という名医ありと聞く、ぜひその診察を乞いたしとの請求に....
」より 著者:犬田卯
例年のやり方だったともいう)そこで彼は本式に質問し、修正を申込みたいことを助役へ申出ておいたのである。 席につくと村長は大きな瘤をさらに大きく張ってどかりと正....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
は、しかし、勿論、何だ。別派、学校側の……可。……その男が、私を通じて、先生まで申出てくれと頼まれたものだから……」 「お料理屋へ私をお呼び下すって……先生が、....
山吹」より 著者:泉鏡花
恐れなされませぬお覚悟を見抜きまして、さらば、お叶え下されまし、とかねての念願を申出でまして、磔柱の罪人が引廻しの状をさせて頂き、路傍ながら隠場所の、この山崩れ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。 ――先生、先生、橘先生――これはまたどうした事で。……既に電報で再度までも申出ましたものを、御着の時間どころか、東京御出発の御通知も下さらず、幹事一同は大....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
て一気にそれだけ言い切つた。声がふるえていた。 何故ツて、それは随分思い切つた申出であつた。三日月の光があるとは言つても、殆ど闇夜に近い暗い遠い夜路を、二人だ....