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男の魂
「男の魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
男の魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
か? では出来るだけ手短かに、わたしの用向きを述べる事にしましょう。わたしはある
男の魂のために、「みさ」の御祈りを願いに来たのです。いや、わたしの血縁のものでは....
「蠅男」より 著者:海野十三
果然、蠅男からの脅迫状だった。 帆村探偵に、この事件から手を引かせようという蠅
男の魂胆だった。 帆村は、この新聞紙に赤丸印の脅迫状を読んでいるうちに、恐怖を....
「蟇の血」より 著者:田中貢太郎
暖かな呼吸のつまるような圧迫を感じて動くことができなかった。女の体に塗った香料は
男の魂を縹渺の界へ伴れて往った。 「何人だね、今は御用がないから、あちらへ往って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お前がしたような悪いことをした」 「妾《わたし》がしたような悪いこととは?」 「
男の魂を取って、それを自分のものにしようとしたからだ」 「妾はそんなことは致しま....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
の部屋に別れた男の友達の、五十里《いそり》さんが越して来る日だ。私は何故か、あの
男の魂胆がありそうな気がして不安だった。――飯屋へ行く路、お地蔵様へ線香を買って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
刀で……これで、あなたの手にかかって死にたい」 六十一 「刀は
男の魂だから、虐待してはいけない」 と、この時はじめて竜之助が、物狂わしいお雪ち....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
うにかっと怒った。 「アランだと!」と彼は叫んだ。「では、まことの船乗としてあの
男の魂を安らかならしめ給え! で、ジョン・シルヴァー、お前は永えこと己の仲間だっ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ストフはそれを感じた。結婚した友はいかにつとめても、もはや昔どおりの友ではない。
男の魂にはもうかならず女の魂が交じっている。クリストフはオリヴィエのうちの至ると....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の病人をあわれんだであろう、しかし彼は治療を試みようとはしなかったであろう。その
男の魂のうちにほの見える洞窟《どうくつ》から彼は目をそらしたであろう。そして、地....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
だと認定した。そしてここにまた窃盗だと認定する。 もう一つのことを言おう。その
男の魂、それを考えてみるがいい。その魂がどういう状態にあるか、諸君は知っているか....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
たる人にこのやうな眼が有りうるものかと小左衛門は我目を疑る始末であつたが、思へば
男の魂は二元で、この陰惨な眼が彼の偽らぬ本性である。この男は悪魔なのだ。彼は神の....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
男に真の愛情があれば、宝を損じても自分は確かに生きられるのである。お菊は命賭けで
男の魂を探ろうと決心した。たとい一枚でも大切の宝をむざむざ打毀すのは勿体ないと思....
「おみな」より 著者:坂口安吾
、男の味方だ。 「女はお勝手の仕事をしてももう駄目です」とこの人は私に語るのだ。
男の魂を高潔ならしむるために、選ばれた女はただ美しい装飾でなければならぬとこの人....
「地上」より 著者:島田清次郎
の対坐になる時は、きび/\した溌剌たる挙措の底に、蕩かすような強い力を燦めかして
男の魂をとらえるらしかった。「わたしは、はじめにお客の心持と様子と金使いとを見き....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
った……女王さまは、傲慢な心をいかに貶しむべきかを、よく御存じである。そこであの
男の魂は、荒海の浪のごとく、荒れ騒ぐというわけである」 かつて、女王の容姿につ....