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「男らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

男らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
を避け出したのは愉快だった。のみならず彼女を避けているうちに反《かえっ》て彼女に男らしい好奇心を持ち出したのは愉快だった。彼は前には甲野がいる時でも、台所の側の....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、どちらかと申せば痩ぎすな御生れ立ちで、御容貌《ごきりょう》も大殿様のどこまでも男らしい、神将のような俤《おもかげ》とは、似もつかない御優しさでございます。これ....
二人小町」より 著者:芥川竜之介
使 こんな色の黒い男がですか? 小町 黒い方《ほう》が立派《りっぱ》ですよ。男らしい気がしますもの。 使 しかしこの耳は気味が悪いでしょう。 小町 あら....
或る女」より 著者:有島武郎
りで、駄々児《だだっこ》のように、倉地の胸にしがみついた。できるならその肉の厚い男らしい胸をかみ破って、血みどろになりながらその胸の中に顔を埋めこみたい――そう....
星座」より 著者:有島武郎
ろうとするのをじっと堪えた。……不断は柔和で打ち沈んだ父だったけれども何んという男らしい人だったろう。あの強い烈しい底力、それはもうこの家には、どの隅にも塵ほど....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
自に車扉を開いて降りる。 日和下駄カラカラと予の先きに三人の女客が歩き出した。男らしい客が四五人又後から出た。一寸《ちょっと》時計を見ると九時二十分になる。改....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
うしてこの世の中に事業をしよう、この世の中に一つ旗を挙げよう、この世の中に立って男らしい生涯を送ろう、という念がなくなってしまいました。ほとんどなくなってしまい....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
しかし札幌にまだ一つ足らないものがある、それはほかでもない。生命の続く限りの男らしい活動である。二週日にして予は札幌を去った。札幌を去って小樽《おたる》に来....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
介する男は、深い猜疑の目で恋人の心を見守らずにはいられまい。君の与えるすばらしい男らしい印象はそんな事まで私に思わせた。 「吹雪いてひどかったろう」 「なんの。....
深夜の市長」より 著者:海野十三
うとして、責任を回避していたからこんなことになったのだ。お前には意志の力がない。男らしい決心がない。そして不親切だ。恥じるがいい) 僕は胸許をギュウギュウを絞....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
如何にも面白かったので記憶に残っている。あまり大きな人ではなかったが、陽にやけた男らしい男で、その上、どの海員たちもがそうであるように、非常に性的魅力といったよ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
このとき亀之介を細い目で透かして見ながら、鼻を低く長く鳴らした。 (きちんとした男らしい。死んだ彼の兄の方はだらしない人物らしいが……) 帆村は心の中で思った....
火薬船」より 著者:海野十三
うかな」 「そうもなるまい。ノルマンのやつは、どうやらこの土地でも、にらみが利く男らしいから、うっかりしたことはできない。まあ、虎船長のはなしじゃないが、こちと....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
だ」 杉田はすこし心細く感じたが、何事も国家のためだと思い、機関大尉の出てゆく男らしい後姿を見送った。 すると一旦外に出かけた彼は、なにを思いだしたか、つか....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
たいって、学問のできる美しい方が掃いて捨てるほど集まってきてよきっと。沢本さんは男らしい、正直な生蕃さんね。あなたとはずいぶん口|喧嘩をしましたが、奥さんができ....