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「男世帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

男世帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
の食事の支度に台所へ出たが、女がおりおり来ると見えて、暫《しばら》く女中のいない男世帯としては、戸棚《とだな》や流元《ながしもと》が綺麗《きれい》に取片着いてい....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
に連れて出立《しゅったつ》しました。跡には文治郎と森松の両人切《ふたりぎ》りで、男世帯に蛆《うじ》がわくという譬《たとえ》の通り台所なども手廻りませんで、お飯《....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うですが、女房子《にょうぼこ》のない独り者で、吾八という若けえ弟子と二人っきりで男世帯を張っていると云うことです」 「島田の名はなんというのだ」 「庄吉です。酒....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。錺屋の増蔵は三十二三で、去年の春に女房に死に別れ、今では小僧と二人暮らしの男世帯である。腕はなかなかにいい職人であるが、女房をなくしてから道楽を始めて、諸....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ぐったりとなったのを、万力は背中に負って、回向院前の自宅へ帰りました。 万力は男世帯で、家には黒松という取的がいるだけです。その黒松に手伝わせてお俊の首を斬り....
婦系図」より 著者:泉鏡花
門附風情が何を知って、周章なさんな。 僭上だよ、無礼だよ、罰当り! お前が、男世帯をして、いや、菜が不味いとか、女中が焼豆腐ばかり食わせるとか愚痴った、と云....
新世帯」より 著者:徳田秋声
。こんな汚いところで、坐るところもありゃしません。それに嚊はいませんし、ずっと、男世帯で、気味が悪いですけれど、マア奥へお通んなさい。」 「いいえ、どう致しまし....
」より 著者:徳田秋声
極的な性情が当然そうなって行かなければならぬようにも考えられた。 十日ばかりの男世帯で、家のなかが何となく荒れていた。お銀は上って来ると、めずらしそうにわが家....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
一 雪の夜路の、人影もない真白な中を、矢来の奥の男世帯へ出先から帰った目に、狭い二階の六畳敷、机の傍なる置炬燵に、肩まで入って待....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
わけをするだけ弱味があるんですね、隠したって駄目ですよ」 「驚いたね、ああして、男世帯の銀床《ぎんどこ》に無《ね》えものは女っ気と亭主の片腕だと、町内でこんな評....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
二人の若党と、かの権次、権六という二人の奴と門番の与次兵衛と、上下あわせて七人の男世帯で、鬼のような若党や奴どもが寄り集って三度の飯も炊く、拭き掃除もする。これ....
実践について」より 著者:中井正一
て豪雨の申をジリジリしながら立ちつくした。本部は本部で米が切れてパンでしのいだ。男世帯なので副食物は徹頭徹尾イカの塩辛であった。かくて、すべては惨タンたる苦しみ....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
り者の馬琴には、流石に金棒引の連中も、嫁一人世話しようという者がいなかった。が、男世帯の不自由には、いずれも同情していたのであろう。時々は芋が煮えた、目刺が焼け....
勘平の死」より 著者:岡本綺堂
して。)まことに結構なお住居でございますな。 半七 野郎共が大勢ごろごろしていて男世帯も同様ですから、家のなかは散らかし放題、一向にだらしがございません。 十右....
式部小路」より 著者:泉鏡花
帰って来る。それまでは隣家の内が、内職をして起きている、と一つにゃ流元に水のない男世帯、面倒さも面倒なりで、そのままにして置きました。さあ、これが大変。」 「失....