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「男声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

男声の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
クララの出家」より 著者:有島武郎
わしき少女。 春なる、ああ、この我れぞ春なる。 寝しずまった町並を、張りのある男声の合唱が鳴りひびくと、無頓着な無恥な高笑いがそれに続いた。あの青年たちはもう....
伸子」より 著者:宮本百合子
れる。奥に重いカーテンで人目を遮《さえぎ》った開け放しの室があった。その広間から男声ばかりの、圧力が籠った談笑が響いて来た。その辺一帯頑丈な茶色の樫の円柱や鏡板....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
もしろいとは思わなかったが、その中でトロイカの御者の歌う民謡と、営舎の中の群集の男声合唱とを実に美しいと思った。もっと聞きたいと思うところで容赦なく歌は終わって....
狼疾記」より 著者:中島敦
熱帯の陽の強さは、画面の光の白さで、それとはっきり想像される。太鼓が響く。乱暴な男声の合唱がそれに交って聞えて来る。尻が揺れ、腰に纏《まと》った布片がざわざわと....
上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
が飛ばされ損害其他詳しい説明までなされていた。このうち、日本語のもの二回あったが男声のは明かに内地人の声ではなかったけれど、女声のはその抑揚から音調に至るまで清....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いた無趣味な匂《にお》いを帯びてきた。聴衆は歓喜していた。――しかし、「南ドイツ男声合唱団」が現われた時、聴衆の注意は厳粛になった。彼らは感傷に満ちた種々の合唱....
非情の愛」より 著者:豊島与志雄
経をはじめた。もう澄んだ美声ではなく、力のこもった太い声で、それが次第に女声から男声へと変っていった。その読経は、経典なしの真の暗誦だった。経文は普通に使用され....
朝やけ」より 著者:豊島与志雄
だった。おれはくだらない冗談口にも倦き、酔いも深まって、ぼんやりしていたが、その男声の女口調には感情をくすぐられた。 よせばよいのに、喜久子は追求してるのだ。....
扉は語らず」より 著者:小舟勝二
リ閉めると完全に外部の音響を遮断する! ところで彼が扉を開けた刹那に売場の方から男声が飛込んで来たのである―― 花の巴里のどん底の 闇に咲いたる血の華は 罪と罰....
炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
、四人とも、ほとんど動かぬ。深く沈んで続くハミング。 そのハミングのバックの前で男声ソロの朗読(薄暗い袖に朗読者を出し、マイクロフォン使用)―― 男 (ボキボ....
樹氷」より 著者:三好十郎
風の音。 音楽(エレジックなテーマの。しかし暗くはない。場合によっては歌詞のない男声のみの二部合唱であってもよかろう。テーマを充分に押し出して。……やがて音楽を....