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男妾
「男妾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
男妾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たりの洋妾《らしゃめん》だと云う事、一時は三遊亭円暁《さんゆうていえんぎょう》を
男妾《おとこめかけ》にしていたと云う事、その頃は夫人の全盛時代で金の指環ばかり六....
「草枕」より 著者:夏目漱石
らどうしますか」 「どうするって、訳ないじゃありませんか。ささだ男もささべ男も、
男妾《おとこめかけ》にするばかりですわ」 「両方ともですか」 「ええ」 「えらい....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
たことを知り、じだんだ踏んだが、後悔は先に立たなかった。彼は今や、女大臣アサリの
男妾にまで下落しようとしている自分自身に気がついた。 それから三十分ほどたった....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
毛色の変ったのでは、春画を描いて学資を作って美術学校を出たのが居る。後家さんの
男妾になって専門学校に通っているのがある。米相場が名人で親仁《おやじ》にしかられ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
れたのはそれからだ。東北の方へ遁がれることにした。相変らずの色奉公、妻は妾、俺は
男妾、乱倫無慙の生活が、次から次と行われた。越後へ行っては上杉家へ仕え、会津へ行....
「口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
偵だな、早くいえば。」 「くどいっ!」 「犬じゃな、つまり――犬、猫、それから、
男妾には、なりとうないと思っておったが――。」 「何をいわれる。誰が兄貴を、男め....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
すか」
「いくつも出るそうですが、そのなかで、高山の淫乱後家《いんらんごけ》と、
男妾《おとこめかけ》の浅公……」
と四十男が浅黒い面《かお》に、思いのほか白い歯....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
って障子をあけた時分には、貸本屋の番頭、一目見たところで、それはイヤなおばさんの
男妾《おとこめかけ》として知られた浅吉さんの生れかわりではないか――誰も驚かされ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
食べてみる気になったりするのじゃないか、穀屋《こくや》のイヤなおばさんがどうの、
男妾の浅公がどうのと、口説《くど》きたてたあの厚かましさ。 ところでその前の晩....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らです。 「ありゃ、飛騨の高山の名代《なだい》の穀屋《こくや》の後家さんですよ、
男妾《おとこめかけ》を連れて来ているんですよ、
男妾をね」 と言ったものですから、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その時、その温泉に冬越しをしようという人々――それはあのいやなおばさんと、その
男妾《おとこめかけ》の浅吉との横死《おうし》を別としては、前巻以来に増しも減りも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
おばさんという女をどうしました」 「は、は、は」 「かわいそうなのは、浅吉という
男妾《おとこめかけ》と、それからですね、もう一人……」 「は、は、は」 「それを....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
あの情夫、帰っただろうか」 その稲野谷という男は、女将お勢の、情夫というよりも
男妾のような存在だった。ところが奇怪なことに、誰もその男の顔を、一度も見たものは....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
御見識だ。何と見えます――俳優ともつかず、遊芸の師匠ともつかず、早い話が、山姥の
男妾の神ぬしの化けたのだ。……間が離れて向う斜めに、しかも反っていたのを、ちょう....
「一握の髪の毛」より 著者:田中貢太郎
痴」 章一はとぼけておいて早く外へ出ようと思った。 「どうせ、痴よ、己の所天を
男妾にせられて黙っているのですもの」 「何」章一は耻かしめられてかっとなった。彼....