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男振り
「男振り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
男振りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
て、それは浅草の質屋の息子だとお花が話したことも思い出された。その男もまんざらの
男振りではないなどとも考えた。自分が舞台から情《じょう》のこもった眼を投げれば、....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
家は左少弁兼輔《さしょうべんかねすけ》であった。色の白い、髯《ひげ》の薄い優雅の
男振りで、詩文もつたなくない、歌も巧みであった。そのほかに絵もすこしばかり描いた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。そこへかの大吉が煙草を仕入れるために、関口屋へ毎日出入りをする。男娼あがりで、
男振りも優しく、口前もいいので、お由はいつか大吉と出来合ってしまったんです。うわ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
次郎であった。彼はふだんからお糸や由兵衛に眼をかけられているばかりか、年も若し、
男振りも好し、おきわの相手と云い触らすには恰好の資格を具えていたので、彼はお糸か....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
金之助のそばに付いていることになった。金之助も三人の鷹匠のなかでは一番の年下で、
男振りも悪くない、おとなしやかな男であった。普通の客とは違うので、女達もせいぜい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てはいった。半七の眼に映った若い男は、年のころ二十三四で、色の小白い、忌味のない
男振りであった。それが岡崎屋の伊太郎ではないかと思ったが、呼びかえして詮議する場....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
。唯それだけでは別に問題にもならないのですが、その侍はまだ十八九で、人品も好い、
男振りもすぐれて好い。そうして、彼のお金となんだか仲好く話しているというのですか....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
。真っ裸にして日干し上げて見ろ、女が一等先きに目を着けるのは、気前でもなけりゃ、
男振りでも無え、金だ。何うも女ってものは老者の再生だぜ。若死したものが生れ代ると....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
きしていたのだ。と云うのは、その可遊と云う男が、これがまた、井筒屋生き写しと云う
男振りでさ。いいえどうして、玉屋ばかりじゃないのだよ、廓中あげての大評判。四郎兵....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
妓や料理屋の女中たちはみんな冬坡の店へ煙草を買いに行きます。冬坡はおとなしい上に
男振りもいいので、浮気っぽい花柳界にはなかなか人気があって、ちっとぐらい遠いとこ....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
だ。たとい田舎廻りにもしろ、ともかくも座頭を勤めているのだから、背もすらりとして
男振りも悪くない。舞台以外にはどちらかいうと無口の方で、ただ黙って何か考えている....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
人の一人として、どうにか世間を押廻しているのであった。 千生はことし二十三で、
男振りもまず中くらいであるが、磨いた顔を忌にてかてかと光らせて、眉毛を細く剃りつ....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
霰小紋の初袷を裾短かに着て、袴は穿かず、鉄扇を手に持つばかり。斯うすると竜次郎の
男振りは、一入目立って光るのであった。 「途中でも女と道連れになんか成らないよう....
「狐」より 著者:岡本かの子
方に得も云われぬ愛嬌がございます。（女、鈴懸を指し）とんとこちらを狐にしたような
男振り。 ――二見氏、おれは狐にしたらよい
男振りだそうだ。 ――気持ちの悪いこと....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
どうやら其の僧が好きになった様子で何くれとなく親切にもてなしつつあった。その僧は
男振りも立派で寧ろ美男だった。 夜のしらじら明けに国太郎は帰り支度をして二階の....