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「男盛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

男盛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
伝えられているような醜《みにく》いあばた面《づら》の持ち主ではなかった。三十一の男盛りで身の丈《たけ》は五尺六、七寸もあろう。剣術と柔術とで多年鍛えあげた大きい....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
からね」 「姐さんより年下だろう」 「ふたつ違いだから二十歳《はたち》さ」 「色男盛りだな」と、豊は羨ましそうに言った。 「世間に惚れ手もたくさんあらあね。姐さ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の妻は、それから半年あまりの後に夫と娘とを振り捨ててあの世へ行ってしまった。まだ男盛りの行綱は二度の妻を迎えようともしないで、不自由な男やもめの手ひとつで幼い娘....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
を見せぬ変った住いぶりでした。しかも、それでいてこの変り者は、もう三十四歳という男盛りであるのに、いち人の妻妾すらも蓄えていないのでしたから、何びとが寝起きの介....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、津の国屋の女房お藤は番頭の金兵衛と不義を働いているというのであった。金兵衛は男盛りの独身者であるが、お藤はもう五十を越えている。まさかにそんな不埒を働く筈は....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のけたたましさから察すると、恐らく四十か五十位のまだ充分この世に未練のありそうな男盛りだろうと思われたのに、もう九十近い痩躯鶴のごとき灰汁の抜けた老体なのでした....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
い!」と呶鳴り、「お師匠の鰐口様がいつかおっしゃった。夫婦が仲良くすると、あたら男盛りも、腕の力が抜ける、とおっしゃった。お前も角力取の女房ではないか。それくら....
獄中消息」より 著者:大杉栄
五十近くの半白爺、秀哉坊がちょうど恋を知りそむる頃、僕がまだようやく三十二、三、男盛りの登り坂にかかる時だ。身体は大切にして居ればそう容易く死にもしまい。 エ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いって、常に人びとの注目の的となっているほどに優れた才能を持っている三十五、六の男盛りであった。彼の風采は、割合に背丈が高いというぐらいのことで、普通の人間の眼....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
話しを話し出した。 それは今から四十六年の昔、元和七年の初夏の事で、その時私は男盛りの四十歳でござりましたが、宗室丸の船頭として、南洋に向かって出帆致しました....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
|忠恕の邸へ通って蘭学を修めようというのだから鷹にしても上の部だ。 二十八歳の男盛り。縹緻もまんざら捨てたものではない。丈は高く肉付きもよく馬上槍でも取らせた....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
知説を立てられた。……」 凜々として説いて行く。中斎この時四十三歳、膏ののった男盛りである。 数十人の門弟は襟を正し、粛然として聞いている。咳一つするものが....
剣侠」より 著者:国枝史郎
、江戸へいでて技を磨き、根岸|御行の松に道場を設け、新影流を教授して居り、年齢は男盛りの三十五、それでいて新影流は無双の達人、神刀無念流の戸ヶ崎熊太郎や、甲源一....
越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
がきあげた毛並みの下に、一|尋もあろうと思える肉が細やかに動いている。七、八歳の男盛りの闘牛だ。 これに対する孫七牛はまだ五歳。今春、横綱格に昇ったばかりの新....
四十年前」より 著者:内田魯庵
流社会は忽ち風靡された。当時の欧化熱の急先鋒たる公伊藤、侯井上はその頃マダ壮齢の男盛りだったから、啻だ国家のための政策ばかりでもなくて、男女の因襲の垣を撤した欧....