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「町内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

町内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
、万事がこの我儘な希望通り取計らわれたばかりでなく、宿も特に普通の旅館を避けて、町内の素封家《そほうか》N氏の別荘とかになっている閑静な住居《すまい》を周旋され....
」より 著者:芥川竜之介
かたはないけれども……」 従姉は妙に空ぞらしい声にとうとう僕に話しかけた。 「町内《ちょうない》ではまだ知らずにいるのかしら?」 「ええ、……でも一体どうした....
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
って、卒中のように倒れたなり、気の遠くなってしまった事が、二度ばかりある。一度は町内の洗湯《せんとう》で、上り湯を使いながら、セメントの流しの上へ倒れた。その時....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
の並んだ町ながら、この小北の向側《むこうがわ》だけ、一軒づもりポカリと抜けた、一町内の用心水《ようじんみず》の水溜《みずたまり》で、石畳みは強勢《ごうせい》でも....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
る心配はない。しかしそれにしても思慮ある人はそういうことはしないはずである。同じ町内に同じ名の人が五人も十人もあった時、それによって我々の感ずる不便はどれだけで....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ので、毒薬装られちゃ大変だ。だが、何だ、旦那も知らねえ顔でいておくんねえ、とかく町内に事なかれだからね。」 「ああ、お前ももうおいででない。」 「行くもんか、行....
追憶」より 著者:芥川竜之介
僕が小学校へはいらぬ前、小さい馬車を驢馬に牽かせ、そのまた馬車に子供を乗せて、町内をまわる爺さんがあった。僕はこの小さい馬車に乗って、お竹倉や何かを通りたかっ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
と鬱いだほどである。が、とにかく、これは問屋、市場へ運ぶのではなく、漁村なるわが町内の晩のお菜に――荒磯に横づけで、ぐわッぐわッと、自棄に煙を吐く艇から、手鈎で....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
それでも、ぞろぞろぞろぞろと口で言い言い三人、指二本で掻込む仕形。 「頭、……御町内様も御苦労様でございます。お捜しなさいますのは、お子供衆で?」 「小児なもの....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
て、頤を引込めたと思うと、おかしく悄気たも道理こそ。刑事と威した半纏着は、その実町内の若いもの、下塗の欣八と云う。これはまた学問をしなそうな兄哥が、二七講の景気....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
くと、真赤な鼻の頭を撫でて、 「綺麗な衣服だよう。」 これはまた余りに情ない。町内の杢若どのは、古筵の両端へ、笹の葉ぐるみ青竹を立てて、縄を渡したのに、幾つも....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
出た、獅子の口へ、身を牲にして奉った、という生命を賭した、奉仕である。 (――同町内というではないが、信也氏は、住居も近所で、鴾画伯とは別懇だから、時々その細君....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
下った、一名(まおとこ結び)というやつ、むすび方の称えを聞いただけでも、いまでは町内で棄て置くまい。差配が立処に店だてを啖わせよう。 ――「失礼な、うまいなり....
縁結び」より 著者:泉鏡花
ころ、お馴染の私が媽々の門札を願います、と燈籠を振廻わしたもんです。 母様は、町内評判の手かきだったからね、それに大勢居る処だし、祖母さんがまた、ちっと見せた....
三枚続」より 著者:泉鏡花
に、とうとう髭だらけで杯をしたとあって、恋の敵のように今も憤っているそればかり。町内の若い者、頭分、芸妓家待合、料理屋の亭主連、伊勢屋の隠居が法然頭に至るまで、....