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町医
「町医〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
町医の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
しているうちに、衰弱《すいじゃく》がはげしくて、寝付いた時はもう助からぬ状態だと
町医者は診た。手術をするにも、この体ではと医者は気の毒がったが、お辰の方から手術....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》かに流れ出して来た。近所の屋根では雀の鳴く声もきこえた。玄庵は町内に住んでいる
町医者で、半七はかねて心安くしているので、参考のためにまずそれをたずねて、口中の....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
した。 なんでもその三月の末だとおぼえています。日本橋新乗物町に舟見桂斎という
町医者がありましたが、診断も調合も上手だというのでなか/\流行っていました。小舟....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ースク村地主ムルゴチの四女。チェロ奏者オットカール・レヴェズは洪牙利コンタルツァ
町医師ハドナックの二男。いずれも各地名門の出である。しかし、その楽団の所有者降矢....
「わが町」より 著者:織田作之助
、他吉は再びそれをひいて出た。が、間もなく円タクの流行だ。圧されて商売にならず、
町医院に雇われたがれいの変な上着を脱ごうとしないのがけしからぬとすぐ暇をだされて....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
たら、それで成功なのである。 神戸牧師の訊問は之で終りを告げ、次で小林兄弟、高
町医師其他数名の証人が引続き取調べられた。 最後に裁判長は被告に向って、今まで....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
せに博士号をもたなかった変り者であるから、先生も医学博士にはなることができない。
町医者としては、ここはツライところであるが、恩師に似なければいけないから、仕方が....
「蛍」より 著者:織田作之助
、ふといやらしかった。 間もなく登勢はお良という娘を養女にした。樽崎という京の
町医者の娘だったが、樽崎の死後路頭に迷っていたのを世話をした人に連れられて風呂敷....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
したかな」 と総司は俄に赧い顔をしたが、 「京都にいた頃、懇意にした娘だが……
町医者の娘で……」 「ただご懇意に?」 とお力は、揶揄するような口調でいい、そ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
のかも知れない。そして同化する型が、催眠術的な関係に類似するように思われる。又、
町医者などには、催眠術的な説得法を診察にとりいれている例が少くはない。私自身はそ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
たい、逢ってああいう器具を使用させて見たい) これが希望なのであった。その女は
町医者千賀道有の娘で、随分美しい女であった。二年の間|睦み合い、相当の武士の養女....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
眼にきっと光を見せたが、しかし、お抱え俥夫から一足飛びに記者になろうというのは、
町医者づきの俥夫が医者になろうというのと同然、とてものことに見込みはなかったから....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
うが、平生頑健な上に右眼を失ってもさして不自由しなかったので、一つはその頃は碌な
町医者がなかったからであろう、碌な手当もしないで棄て置いたらしい。が、不自由しな....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
乎して、縁が遠くてイツまでも独身で暮していた。 その頃牛込の神楽坂に榎本という
町医があった。毎日門前に商人が店を出したというほど流行したが、実収の多いに任して....
「わが町」より 著者:織田作之助
相変らずの俥夫だった。一時は円タクに圧されてしまって、流しの俥夫も商売にならず、
町医者に雇われたが、変な上着を脱ごうとしないのがけしからぬと、間もなく暇を出され....