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画商
「画商〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
画商の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花火」より 著者:太宰治
の小さい雪景色の画だけが、ちょっと気にいっていたので、他の二十枚程の画は、すぐに
画商に手渡しても、その一枚だけは手許に残して、アトリエの壁に掛けて置いた。勝治は....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ったこれ等の絵は、統一もなく、巧いのも拙いのもあった。かの女はむす子に案内されて
画商街へモダンの画を見に通った幾日かを思い起した。それらは、むす子が素性のいい恋....
「道標」より 著者:宮本百合子
た。モジリアニの素晴らしい才能を独占するために――あとで価の出ることを見とおした
画商が、彼の生活の破綻につけこんで、紙屑同然のはした金を与えては、モジリアニから....
「ディフォーメイションへの疑問」より 著者:宮本百合子
に分らないのが自然である。美術品も商品である。これが資本主義社会での美術である。
画商の存在の意義を考えればよく分る。 芸術における独自性と独得なテンペラメント....
「帝展を観ての感想」より 著者:宮本百合子
に示された日本の大画家連の製作をも左右している世間の不景気の反映に興味を感じた。
画商との微妙な連関で自分の画の市価というものが定り、その相場が上ることで画家とし....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
をもって迎えられている。 日本画の中心的組織は「日本美術院」である。日本画壇は
画商と連帯をもった強固なスター・システムでかためられている。日本画家の生活の全面....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
眺めていられない気がする。 すなわち日本画の世界の如くあるいはフランスの如く、
画商人というものがあり、鑑賞家への仲介すべき高砂屋があり、高砂屋によって市価が生....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
眺めていられない気がする。 すなわち日本画の世界の如くあるいはフランスの如く、
画商人というものがあり、鑑賞家への仲介すべき高砂屋があり、高砂屋によって市価が生....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
会員や推薦や参与の位いにありつけば、少なくとも「一等画家」乃至「二等画家」として
画商の間に通用することになる。 不平は画家のこの官許検定制度を承認した上での不....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
読まれます、「焔と色」という小説を式場が訳して。弟のテオというのがいてね、これは
画商の店員をしているのが終生実に兄のためによくしてやっています。こんな弟は本当に....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
力にあの困難も堪えたかということもわかるような暖かさがあります。はでなサロン向の
画商との所謂大家的取引とは何と違うでしょう。ゴッホは自分の弟を最も信頼する
画商と....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
低した。晩の六時にサン・ジャック街に出ていって、マテュラン街の角《かど》にある版
画商バッセの店と向き合ったルーソーという家で夕食をした。スープは取らなかった。食....
「「壇」の解体」より 著者:中井正一
ーとしてのマネジャーを把握することである。楽壇にマネジャーがあるように、画壇にも
画商ブローカーがある。文壇に於ては雑誌及び出版書店がその役割を演ずる。いわゆる文....
「放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
逸材を発見して喰いものにしようとする飢えたる狼の如き、卑しい利得一点張りの本屋や
画商やが朝から晩迄|犇《ひし》めき合う雑然たる長屋区域Q街の一隅の屋根裏の部屋に....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
たころの愛人だった。 チャーミングさんはそのころから画の勉強をしていて、二三の
画商に才能を認められていたが、画かきというよりはむしろ詩人といったほうがいいよう....