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画境
「画境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
画境の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道標」より 著者:宮本百合子
らず、殺風景なむき出しのままにしているところにも、伸子たちは磯崎がどんなに自身の
画境の確立に神経を緊張させているかをうかがいとっていたのだった。磯崎の絵を、はじ....
「くちなし」より 著者:宮本百合子
イナスの作用をしつつ、目前ともかくプラスである協力者をもたず、或は良人と自身との
画境をはっきり弁えて自力の成熟をしようと心がけている若い少数の婦人画家たちは、現....
「白藤」より 著者:宮本百合子
心持をよろこんで、会心の作をわけたことを快よさそうに語られた。 ラグーザ玉子の
画境は、純イタリー風で、やや古典的な確かな技法とともに、こまやかな味、平和な趣の....
「リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
に相違ない。僕は暫く下界に住んで来て、さてこの山嶽をば通りしなに既にセガンチニの
画境の種々相を感得することが出来た。 セガンチニもいろいろなものを画いた。けれ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
は一昨日春陽展を上野で見ました。木村荘八、中川一政、石井鶴三、梅原龍三郎の諸氏の
画境について、実に何とも云えぬ印象をうけて来ました。中川一政の昔の画集に巣鴨の昔....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
切っていますから。素朴だがいいと思うの。柳瀬さんのは、透明になりすぎていて、あの
画境に疑問もあります。
『都』の「読者論」は、ともかく一生懸命かきました。一部の....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
して生かし思わぬ佳作が出来上ることがある。そのような時はまた格別に嬉しい。それは
画境に一進展の兆しがある場合が多いのである。 なんとかしてそこを補おうと工夫し....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
けずに今なお残っているが、画が画だからマジメに伝統の法則を守った作で、椿岳独自の
画境を見る事は出来ない。が、椿岳の画の深い根柢や豪健な筆力を窺う事が出来る大作で....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
省心の特質と、不断の心がけが窺えると思う。 画人としての宮本二天 ――彼の
画境と、その遺墨について 武蔵は、画家ではないが、画人ではあった。 もとより....
「雪村筆「茄子図」」より 著者:吉川英治
雪村は、雪舟に私淑し、足利末期の周文とか芸阿弥、真阿弥などにもならぶ、独自な
画境をもった奇才だといわれている。けれど彼は当時の東山文化に棹さした五山の画僧で....