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画帳
「画帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
画帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春」より 著者:宮本百合子
あって、私が英文予科の一年に入ったときは、ゴチックまがいの講堂で一人一人前へ出て
画帳のようなものへ毛筆で何か文句を書かされたりした。私は大変本気な顔つきで、求め....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「どこのお嬢さん……」 といって、十四世紀の絵画を眺めていた田山白雲が、自分の
画帳の上に眼を落すと、そこには、房州の保田の岡本兵部の家の娘の姿が現われておりま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
で、明代《みんだい》四大家の一人です……」 田山白雲は行李《こうり》を開いて、
画帳一冊を駒井の前に置くと、駒井はそれを開いて、まず眼に触れた開頭の文章を読んで....
「好意」より 著者:豊島与志雄
。 その時私は幸にも、ロシアやドイツやスウィスあたりの、人形や木彫の玩具などの
画帳を一つ見出して、吉岡の無聊を慰めるためにと持って来ていた。で何気なく病室には....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
ないためであった。そういうとき、ミリガン夫人はわたしたちに本を読んで聞かせたり、
画帳を見せたり、美しいお話をして聞かせたりした。 それから夜、晴れた日には、わ....
「けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
ョンの間に白い両手を突込んで探りまわしていたが、そのうちに一冊の巨大な緞子張りの
画帳をズルズルと引っぱり出した。重たそうに両手で引っ抱えて来て石のように固くなっ....
「日記」より 著者:宮本百合子
わざわざモリソン図書館から、新らしく買ったフランスの、建築家と画家のペルシア旅行
画帳(銅板)を持って来て呉れた。 なかなか面白いものだ。パーセポリスの廃趾の柱....
「おせん」より 著者:邦枝完二
物なんぞ着た女を描いても、始まらないとの心からであろう。自然の風景を写すほかは、
画帳は悉く、裸婦の像に満たされているという変り様だった。 二|畳に六|畳の二|....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
―先生なにか一つ描いて下さいませんか。父も悦ぶでしょう」 とり出したのが大型の
画帳であった。 私は、 「やられた」 と思った。まんまと一杯ひっかかったと思....
「由布院行」より 著者:中谷宇吉郎
《ひのしたかいさん》二十山を凌《しの》ぐこと五分と書くのが得意である。伯父の家の
画帳も勿論その厄《やく》を蒙《こうむ》っていた。 この前も、九州大学の先生を連....