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画幅
「画幅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
画幅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
快諾《かいだく》しました。そうしてその庁堂の素壁《そへき》へ、一幀《いっとう》の
画幅《がふく》を懸《か》けさせました。
「これがお望みの秋山図です」
煙客翁《....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
かも知れないと思うままに、今暫くと思いながら、心にもない事を云ってる。こんな時に
画幅など見たって何の興味があろう。岡村が持って来た清朝《しんちょう》人の画を三幅....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
くびくものでいた。雲林は人間の臭みが自然に沁み込むのをおそれて、自分の描く山水の
画幅には、どんなことがあっても、人物を描き添えないというほどな泉石好きだった。 ....
「郊外」より 著者:国木田独歩
それが気になるようでそのために気をもむようではだめなんだ。もし真にわが一心をこの
画幅とこの自然とに打ち込むなら大砲の音だって聞こえないだろうと。そこで画板にかじ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
くれるから。」 そういう詩に基づいて、クリストフは作曲した。合唱付の交響曲的大
画幅で、勇壮|滑稽《こっけい》な戦争、放埓《ほうらつ》な祭礼、道化た奇声、大袈裟....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
聖書の短い断片やインドの詩、宗教的なあるいは道徳的な叙情小曲、自然のちょっとした
画幅、恋愛的なあるいは家庭的な情緒など、単純健全な心の人たちのための朝や夕や夜の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
トランド兵、フランス擲弾兵の大きな白いゲートル、それは実に戦術的戦線ではなくて、
画幅中の光景であり、サルヴァトール・ローザの喜ぶところのものであって、グリボーヴ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
…それ等凡て一切合財のものが、孔雀に駕し四本の手を具えた、「孔雀明王」の幽暗な大
画幅の中に語られているのではないか。高さ四尺幅三尺程の大幅の中には、画面一杯に羽....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
ましたわね。この劇場には形体も美もなく、云わば、幇間は如何なるものであるかと云う
画幅に過ぎない――と」 「幇間――。ああ貴女も、お父さんと同じ皮肉を僕に云うので....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
幀であって大作と見做すべきものが殆んどない。尤もその頃は今の展覧会向きのような大
画幅を滅多に描くものはなかったが、殊に椿岳は画を風流とする心に累せられて、寿命を....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
知らんとせば少しく浮世絵板画発達の跡を尋ねざるべからず。 浮世絵の板画が肉筆の
画幅に見ると同じき数多《すうた》の色彩を自由に摺出《すりいだ》し得るまでには幾多....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
見る処では、これは前の時代の風習の残影に過ぎない。人の家の床《とこ》の間《ま》に
画幅《がふく》の掛けられているのを見て、直にその家の主人を以て美術の鑑賞家となす....
「西航日録」より 著者:井上円了
ちまち左のごとくうそぶけり。 よく出来た造化の筆のてぎわ哉 その風景、あたかも
画幅に面するがごとし。 雨過五湖春色研、近山如笑遠山眠、不知造化有何意、
画幅懸来....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
して、頂上に達す。道すこぶる険悪なり。山上の風光はノルウェー第一と称し、自然の大
画幅に対するの観あり。実に天地の一大パノラマなり。四面の連山はみな奇巌骨立、幾層....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
郎岳が火山のような長い美しい裾の斜線を見せて、秀麗な円錐形に聳えているのがこの大
画幅に点睛の妙を極めて人を叫ばせずには置かない。最も近く大きな蛞蝓を匍わしたよう....