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画材
「画材〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
画材の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海流」より 著者:宮本百合子
っていた。芸術品としての意味から順二郎が云っているのかと思った。そうだとすれば、
画材は素朴にあつかわれていることを宏子も認めざるを得なかったから。しかし順二郎の....
「子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
得たことがかつてあるか?「身持ちの神さん」は、東西ともに既に古典的な貧の悲しき漫
画材料だ。ブルジョア社会制度の下のプロレタリアート数千万の女性にとって、母性は彼....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
チの捨て場所のない清潔な道路である。 家ばかりを幾度描いても描き切れない豊富な
画材が到る処に転がっているのだ。 でも私は、あまりいい天気の日に、何かたまらな....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
が下宿で制作するコツをよく知っていてうまいかも知れない。 近頃面白いことには絵
画材料店に静物用の壷とバック用のインド更紗の安いイミタシオンと、果実を並べる台等....
「くちなし」より 著者:宮本百合子
、遠くの海上の島がもう一寸物足りないとか素人評をやっていると、女ながらもそういう
画材を勉強している友達が、考えると船なんてぼろいなあ、と百円の絵一つをさばきかね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がみ》を振い立つように雀躍《こおどり》しました。
絵になるどころか、馬は天下の
画材である。ことに放牧の馬は、和漢古来、名匠の全力を傾けて悔いざる画題だ。
白....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、宗舟先生、この温泉気分は絵になりませんかな」 「ならないどころですか――絶好の
画材ですよ」 「南画ですか」 「いや、南画とも違いますね」 「では、呉春張りの四....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
こういって使者は辞し去った。 北斎はその日から客を辞し家に籠もって外出せず、
画材の工夫に神を凝らした。――あまりに固くなり過ぎたからか、いつもは湧き出る空想....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
朝霧が、煙のように営庭の中に流れていた。灰白色と黒だけの風景。独逸表現派の陰気な
画材に似ていた。 二十人は、角面堡の混凝土《コンクリート》の長い壁にそって、二....
「作画について」より 著者:上村松園
小野小町、紫式部、和泉式部、衣通姫などの宮中人物、上※、女房等々、歴史のなかから
画材を選んだ作画もあり、「唐美人」などのような支那の歴史から取材して描いたものも....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
じめて東京湾から鮎の大群が遡ってきた。翆巒峭壁を掩う下に、銀鱗を追う趣は、南画の
画材に髣髴としている。 四 常陸国の久慈川の鮎は、質の立派な点に味聖の絶....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
の小町の面を生きた人の顔に置きかえただけで、モデルは金剛先生で、私は先生からあの
画材をいただいたという次第であります。 砧 これは九州芦屋の何某....
「楠公夫人」より 著者:上村松園
けでも一百枚にのぼるであろう。 描きたい絵はまだまだ沢山ある。展覧会に出品する
画材は、前もって発表するということは興を削ぐので、それだけは私の胸中にそれを制作....
「税所敦子孝養図」より 著者:上村松園
であるが、さて教訓的なものとなると、何を描くべきかに迷って、当座は筆をとらずに、
画材について、いろいろと思案をして日を送ってしまったのである。 その後、校長先....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
も本物は一枚だ。これでは或る一部分の人しか鑑賞することができない。特に油絵などは
画材が舶来品で高いから大衆向きでない。版画は多勢の人に、同じもので鑑賞させること....