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「画餅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

画餅の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
案が今日明日中に思いついたにしてもだ。明日の晩お敏に逢えなけりゃ、すべての計画が画餅《がへい》になる訣《わけ》だろう。そう思ったら、僕はもう、神にも仏にも見放さ....
戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
リーのエジプト関係者から思いがけない電報が飛んで来て、このドイツの策略はすっかり画餅《がへい》に帰してしまった。アバス・ヌリ殿下が、予定を変更して、急拠《きゅう....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、せせら笑ってやろうともくろんでいたのが、相手が、落ちつき払っているので、計画、画餅《がべい》では物たりない。 何よりも、彼女としては、雪之丞が、もがきにもが....
」より 著者:ディモフオシップ
ったのである。明朝になったなら、またどうにかしようというのであった。しかしそれは画餅になった。おれはとうとう包みと一しょに寝た。十二キロメエトル歩いたあとだから....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
だけ滞めて置いて後から交渉して貰う積りでいた、然るに先生の突然の帰国でその計画も画餅になったが残念でならぬ。自分は容貌の上のみで梅子|嬢を思うているのでない、御....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
ため、女優第一人者を、誠意をもって誤謬《ごびゅう》なく書残しておこうとしたことが画餅《がべい》になってしまったのを、大変残りおしく思う。 わたしの知人の一人は....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なかった。グライヨーは万事を非議し、人がしたがってる万事を非議していた。何もかも画餅《がべい》だとしていた。ジューシエは常に肯定していた。けっして自分が誤りだと....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
精神を鼓吹して事を挙げようと企てたのであった。しかるにここに意外のことから計画は画餅に帰することになった。 織田家の用人松原郡太夫が家老の玄蕃の勢力を妬んで、....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
たこともあり得たろうとおもわないわけにはゆかない。 かくて第二次のお国の計画も画餅《がへい》に帰したが、平左衛門大難の日は刻々と迫ってくる。しかもその前夜、平....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
が出たとやらで、大久保某は案内が出来ぬことになって、折角白井が尽力してくれたのも画餅となった、大久保某の言に拠ると、只見川の上流の白沢を登るが便利というので、こ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
総じて官軍は、わけて義貞の旗は、派手な敗れ方をして、きのうの戦果も、いちどに画餅としてしまったのだった。 ぜひなく、官軍は川の東へ、総ひきあげを呼び交わし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
夢を帝にささげたのみで、むなしくここに終ったというしかない。 南朝がたの望みも画餅に帰して、賀名生はまた元のみじめな山中宮廷に返ってしまったが、より悲惨なのは....
黒田如水」より 著者:吉川英治
ここにおいてか、官兵衛が舌頭の無血攻略も、苦心の地盤工作も、一朝のまに、すべてが画餅のすがたに帰ってしまった。 官兵衛は、正直、哭きたいような気がした。秀吉を....