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「畏る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

畏るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
た、宿の女が「飯が出来やしたから、囲炉裏の傍でやって下せえ、いけましねえか」と、畏る畏る閾《しきい》越しに伺いに来る、いいとも、と返辞して大囲炉裏の前に、蝋燭を....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
の小供を従えて、寝台《ねだい》の前に来て叮嚀にお辞儀をした。そうして畏《おそ》る畏る口を開いた―― 「藍丸王様。青眼爺《あおめじい》で御座います。お召しに依って....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
きたる矢あり 幽暗にはあゆむ疫癘あり 日午にはそこなう激しき疾あり されどなんじ畏ることあらじ 法水はそれを小声で口誦みながら、讃詠と同じ葬列のような速度....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
由の出来る身を以て、淫欲までを禁遏したのは恐ろしい信仰心の凝固りであった。そして畏るべき鉄のような厳冷な態度で修法をはじめた。勿論生やさしい料簡|方で出来る事で....
運命」より 著者:幸田露伴
西宮に崩ず。其遺詔こそは感ずべく考うべきこと多けれ。山戦野戦又は水戦、幾度と無く畏るべき危険の境を冒して、無産無官又|無家、何等の恃むべきをも有たぬ孤独の身を振....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
あまり話しもしない。父子の間にはほとほと言葉もない。ただただ父は尊敬すべきもの、畏るべきもの、そして頑固なものとしか子の目には映らないかのよう。この少年には、父....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
果をあげ得るかの知恵がない。力が足りない。そして他人の運命を傷つけることのいかに畏るべきかを知れる謙虚な心には、これはじつに切実な問題である。そしてついに自分た....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
こりゃ偉い物だぞ、今の年歯で斯様では、と感歎《かんたん》して、畏《おそ》るべし、畏るべし、此児の行末は百万にも将たるに至ろう、と云ったという。随分|怜悧《りこう....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
者の生命でも、犠牲に供するのを常としているのだ」 「わたしの考えでは、彼は実際|畏るべき人だと思います」と、心のうちにラッパチーニの冷静なひたむきな智的態度を思....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
織り込まれたる綾であり、模様であり、両者を切り離すことは、到底不可能である。就中畏るべきは習癖の惰力である。習癖は深く魂の中に喰い入りて、しばしば個性の主要部と....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
をこれほどに活動させるのであるから、実に話術の妙を竭したものと云ってよい。名人は畏るべきである。 そこで考えられるのは、今日もし円朝のような人物が現存していた....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ところが彼はこれから二度と泥棒をしない泥棒に過ぎないのだ。してみると「これもまた畏るるに足らない」ものだった。 宣統三年九月十四日――すなわち阿Qが搭連を趙白....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
あるとも、それに向ってついに何等の畏れも抱くことがない。されば自分に取っては最も畏るべき鬼神力も、またある時は最も親むべき友たることが少くない。 さらば僕はい....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
きものがあり、人知は鬼神も圧して人工が天然にまさったのである。) 諸人の力に天も畏るらん、パナマの山を海となしける 深夜天頂を仰ぐに、月まさしく頭上に懸かるを....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
か? 」 「煙筒の蔭に隠れております」 「ここへ呼び出せ」 アダムは裸体のまま畏る畏る神様の前へ出て来た。 「アダムよ。煙筒を作ったのはおまえか? 」 「いい....