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「畏友〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

畏友の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
みなりや? 答 必ずしもしかりとせず。自殺を弁護せるモンテェニュのごときは予が畏友《いゆう》の一人《いちにん》なり。ただ予は自殺せざりし厭世《えんせい》主義者....
星座」より 著者:有島武郎
ず小生ごときひねくれ者の企図して及びえざるいくたの長所あれば貴女にとりても好箇の畏友《いゆう》たるべく候(この辺まで進んだ時、おぬいさんが眼を挙げて自分を見たの....
狂言の神」より 著者:太宰治
なんじら断食するとき、かの偽善者のごとく悲しき面容《おももち》をすな。 (マタイ六章十六。) 今は亡《な》き、畏友《いゆう》、笠井一について書きしるす。 笠井一《かさいはじめ》。戸籍名、手....
青木の出京」より 著者:菊池寛
で、その瞳に貫き通されずにはいなかった。しかもその青木はつい六、七年前まで、彼の畏友であり無二の親友であった。雄吉は、その瞳を見ると、今までの心の構えがたじたじ....
錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
ヤリストは原始基督教徒と一向変りがない。かれ等の中には立派な殉難者が沢山にいる。畏友古谷栄一君はかつて「人間の自我は錯覚」という説を発表した。自分はその説に大に....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
を思いうかべるとしても、僕の指にしみ込んでいる売薬の悪い匂いだろうよ。噂によると畏友ラッパチーニは、アラビヤの薬よりも更にいい匂いをもって、薬に味をつけるそうだ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
商品のまわりにぐるりと水へ投げ込むことか?――GOD・KNOWS。 2畏友リンピイ・リンプの驚嘆に値する発明的企業能力は、これだけでも充分以上に合点が....
恩人」より 著者:豊島与志雄
人を、昔の恋人たりし人妻の家に遙々訪れて来た人を、そしてまた自分の敬愛する一人の畏友を。 「あなたは、」と彼は云った。「御病気なすってから何か人生観というような....
好意」より 著者:豊島与志雄
した食事をしに出かけ、酒を飲みながらも話したが、結局取り留めもないことばかりで、畏友としての吉岡に対するどうにも出来ない感情に浸って、口を噤む外はなかった。そし....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
よ」 彼は涙をふりはらって、おごそかに石の肝臓を指した。 「これなる肝臓はわが畏友、わが師、医学士赤城風雨先生の記念碑である。われら同志よりつどい、先生の高徳....
時 処 人」より 著者:岸田国士
ば、けつこう「空腹」の足しになるという例が、今私の眼の前にある。 これは最近、畏友関根秀雄君から贈られた同君訳の「美味礼讃」で、プリヤ・サヴァランというフラン....
『演劇』あとがき」より 著者:岸田国士
は、京都大学教授英文学者にして、演劇学者として私の長年にわたる演劇活動を通じての畏友、山本修二君をすぐ頭に浮べた。私の希望はかなえられた。 一、演劇と社会生活....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
、桜の花が殊に潤んで見えた。ひき続いては出遅れた若葉が長い事かじけ色をしていた。畏友島木赤彦を、湖に臨む山墓に葬ったのは、そうした木々に掩われた山際の空の、あか....
翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
世を風靡《ふうび》し、いわゆる新興芸術派の一部に浅ましい亜流を輩出したとき、わが畏友《いゆう》吉村鉄太郎がひそかに歎《なげ》いたことがある、――「あの作家がもし....
家庭料理の話」より 著者:北大路魯山人
、各人各様の栄養食を深く考え、食によって真の健康を勝ち得てもらいたい。 かつて畏友大村医博の話に、大倉喜八郎氏の家に料理することの非常にうまい老女中がいて、ご....