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「畏懼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

畏懼の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命論者」より 著者:国木田独歩
様の宇宙は立体でなく平面です。無窮無限という事実も貴様には何等《なんら》、感興と畏懼《いく》と沈思とを喚《よ》び起す当面の大いなる事実ではなく、数の連続を以《も....
黒猫」より 著者:佐々木直次郎
って、私は反対の側の壁へとよろめいた。一瞬間、階段の上にいた一行は、極度の恐怖と畏懼《いく》とのために、じっと立ち止った。次の瞬間には、幾本かの逞《たくま》しい....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
ろうか。裏面から観察するとすれば酔漢の妄語《もうご》のうちに身の毛もよだつほどの畏懼《いく》の念はあるはずだ。元来|諷語《ふうご》は正語《せいご》よりも皮肉なる....
瓶詰地獄」より 著者:夢野久作
来ました。そうして、その一度一度|毎に、私の心は沈淪の患難に付されるかのように、畏懼れ、慄えるのでした。 けれども、そのうちにアヤ子の方も、いつとなく態度がか....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
して、もう一度あたりの有様を見わたしました。 自分のまわりを眺めたときのあの、畏懼と、恐怖と、嘆美との感じを、私は決して忘れることはありますまい。船は円周の広....
小春」より 著者:国木田独歩
宮、静かなる万籟の殿たるべし。 ああ果たしてしからんか、あるいは孤独、あるいは畏懼、あるいは苦痛、あるいは悲哀にして汝を悩まさん時、汝はまさにわがこの言を憶う....
日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
を見て恐怖し、面縛して降を乞い「われ聞く、東方に神国あり、日本というと。われ是を畏懼するや久し。今皇師大挙して征討せらる。いかでか是に抗し奉らん。ねがわくば爾今....
妖怪報告」より 著者:井上円了
候に、小鳥もまた押馴し、食物を掌上に載せ出だせば、来たりてこれを啄み、少しも驚愕畏懼の風これなし。人慣れ、籠慣れとも申すべきか。しかるに、今御報知及ぶべき次第は....
巷の声」より 著者:永井荷風
を襲うものは抑《そもそ》も何であろう。民衆主義の悪影響を受けた彼等の胸中には恐怖畏懼の念は影をだも留めず、夢寐の間にも猶忘れざるものは競争売名の一事のみである。....