» 留め金

「留め金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

留め金の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
露すれば、なんとか無事に済まされない事もない。そこへ付け込んで、伝蔵は本家から口留め金をまき上げようと企らんだのであった。 自分が人殺しをして置いて、その口留....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
城の一件を云い出したのは増村の息子だというので、専らここばかりへ押して行って、口留め金をくれなければ其の秘密を訴えると云う。これは強請《ゆすり》の紋切形ですが、....
審判」より 著者:カフカフランツ
しっくりした黒服を着ていた。その服は、旅行服に似ていて、たくさんの襞やポケットや留め金やボタンがつき、バンドもついており、そのため、何の用をするのかはっきりはわ....
博物誌」より 著者:岸田国士
、こいつが食えらあ」とアベルは言った。 Les Grenouilles ぱっと留め金が外れたように、彼女らはその弾機をはずませる。 彼女らは、煮立ったフライ....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
しが持っている。昔からの習慣で、いつもこうして持って歩いているのさ。さあひとつ、留め金のパチンのところを、とっくり見てごらん。』 ――見てどうするんです?』 ....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
た。同時に食料品屋の主人も店の者も、前垂を背中で締め着けている磨き上げた心臓型の留め金は、一般の方々に見て頂くために、またお望みなら聖降誕祭の鴉どもに啄いて貰う....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
んくら》って、あわてだし叫び声をたてて、気を失わんばかりだった。アンナは化粧版の留め金を引きちぎり、燃えだしてる裳衣《しょうい》を腰からすべり落として、それを足....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
サイキーをヴィーナスと異ならしむる色合いである。彼女の真っ白な長い細い指は、金の留め金で聖火の灰をかきまわすという貞節を守る巫女《みこ》のそれのようだった。後《....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
付きのチョッキ、膝《ひざ》の所は灰色になってる黒い短ズボン、黒い毛糸の靴下、銅の留め金がついてる厚皮の短靴。何だか亡命の旅から帰ってきた良家の古い家庭教師といっ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い燕尾《えんび》と、大きな鉄のボタンとがついていた。それに加うるに、短いズボンと留め金つきの靴《くつ》。そしていつも両手をズボンのポケットにつっ込んでいた。彼は....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
車の通る音にも急いで肩の上に引き上げられるシャツ、結わえられたリボン、はめられた留め金、締められた紐《ひも》、かすかなおののき、寒さや貞節から来る小さな震え、あ....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
挿《さ》して黄金《こがね》作りの太刀《たち》の柄《え》に左の手を懸《か》け、銀の留め金にて飾れる靴の爪先を、軽《かろ》げに石段の上に移すのはローリーか。余は暗き....
丹下左膳」より 著者:林不忘
る! こんどの請負は二千三百両。近えうちに前金が千両さがる。それでなけア大工の足留め金を出すことができねえ」 「へえ? 豪勢な御普請ですねえ。じゃアあの三十両が....