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留保
「留保〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
留保の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
、そんなに苦しい大問題では無いように思われました。許す、許さぬ、そのような権利を
留保している夫こそ幸いなる哉《かな》、とても許す事が出来ぬと思ったなら、何もそん....
「斜陽」より 著者:太宰治
権利も持っているのだけれども、しかし、「母」の生きているあいだは、その死の権利は
留保されなければならないと僕は考えているんです。それは同時に、「母」をも殺してし....
「縮図」より 著者:徳田秋声
果たしているわけだ。」 そう言われて、銀子もその気になり、組んだ為替をそのまま
留保し、次ぎの月もずるをきめていたのだったが、母の返辞が来てみると、金の催促もあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うつもりか、右の焼けて壊れた提灯は、この席でも上の方にいる神尾主膳の手に渡って、
留保されるもののように膝の上に載せられます。 やがて太田筑前守も出席するし、そ....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
ですか。毒をのまされたという状態が?」
ところが意外にも検事はこの重要な質問を
留保した。これは後に藤枝が私に云つた言葉であるが、さすがにものなれた奥山検事は、....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
期刑にくぎりを付けるものは、「改悛の状」なのである。改悛の状を示したものは、起訴
留保にもなろうし、隨時仮釈放も許可される。それで不安な場合には、「司法保護司」と....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
られるのである。「思想犯保護観察法」がそれだ。思想犯人で執行猶予になった者や起訴
留保になったもの、また刑を終った者や仮出獄した者、つまり一旦思想犯人となった者は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こでお話しなさい、わたしはまたひとりで、眠れるだけ眠りますから、そこはおたがいの
留保として、では、わたしはこれから眠ります、お前さんは勝手に話しなと何なとなさい....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
つまでに至らない、熱海と云う所は昔から好きな所であった、今から三十年ばかり前に逗
留保養したことまである温泉だが、大震災以後土地の気分がこわれた上に鉄道が開通し自....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
な口を利くつもりはない。しかし、人間の「食生活」についての、一人前の発言権だけは
留保するものである。 主食の不足が問題になつている時、悠長な「食談義」でもある....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
二つの最大が生ずるのであるが、この用役の価格と資本の価格とが比例することは、一の
留保の下に、まさしく自由競争によって生ずる結果なのである。 しかしながら、一八....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
を放牧し、家屋、修理、及び薪炭用に充てるに足る木材を伐採する権利は、法律上これを
留保しておかなければならぬ。 住居の周囲にある一筆の土地も、まず森林の所有者に....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
るか。短波で傍受したところでは、回答にたいする日本側の意志表示が遅れているので、
留保の裏になにか企図がひそんでいるんじゃないかというので、連合国側の態度がひどく....
「城」より 著者:カフカフランツ
ね」
「りっぱなものです」と、教師はいった。「りっぱなものですよ、まったくなんの
留保もなしにおことわりになるのですからね」そして、帽子を取ると、出ていった。
....
「審判」より 著者:カフカフランツ
の人の口から任意な時に下される、ということを君はどこかで読んだはずだ。いろいろな
留保条件はあるが、それはもちろんほんとうだ。だが、君の心配はわしに不愉快だし、わ....