留女[語句情報] » 留女

「留女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

留女の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
》の乞食の白髪小僧で、今一人はこの国の総理大臣の美留楼《みるろう》公爵の末娘|美留女姫《みるめひめ》である。そうしてこの書物の持ち主は、この書物に書いてある事を....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ちの人|措いて下さんせ、と洒落にも嗜めてしかるべき者までが、その折から、ちょいと留女の格で早瀬に花を持せたのでも、河野|一家に対しては、お蔦さえ、如何の感情を持....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
男を見るとこういういたずら心が起って、兵馬を口説《くど》いてみたり、竜之助の時の留女《とめおんな》に出てみたり、がんりきを調戯《からか》ったりしていたのが、ここ....
細木香以」より 著者:森鴎外
慮な男女は廊下に集まり、次の間の障子は所々|濡らした指尖で穿たれた。 この時|留女として現われたのは芸者きわである。豊花と鶴彦とを次の間に連れて往って、小稲花....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
とに百花の女王たる桜のうるわしさを称えるには。 うたゝねやめさめて畳む花衣 波留女 十二単の昔から元禄の花見小袖にいたるまで、日本女性のキモノはいともうるわ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
が可うてお給仕が別嬪、某屋はここじゃお泊まりなんし」と、旅人を呼び立て袖を引く、留女の声のかまびすしい、雀色の黄昏であった。表へ向いた二階へ通された。 旅装を....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
しを差して、並んで金兵衛が歩いてゆく。 夕暮れに近い時刻であって、旅宿の門では留女が、客を呼ぶ声を立てはじめていた。 こうなっては事件が起こらなければなるま....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
りは定《き》められないが、美妙斎はそのころから関係のあった、浅草公園の女、石井|留女《とめじょ》を、九月|尽日《じんじつ》に落籍《らくせき》して、その祝賀を、そ....
妖怪学」より 著者:井上円了
ること最も多しと思わる。すなわち、結納の目録に、昆布を「子生婦」と書し、鯣を「寿留女」と書し、柳樽を「家内喜多留」と書するの類は、みな文字によりて祝する縁起なり....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
すらも彼に食われるとかいう噂であったが、初上りのせいか、曾我の対面の鬼王と鞘当の留女の二役だけで、格別の注意をひかなかった。しかもその後に座付の芝居茶屋、猿家の....