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「留守〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

留守の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
しょに。」 「伜《せがれ》は。」 「山本様へいらっしゃいました。」 家内は皆、留守である。彼はちょいと、失望に似た感じを味わった。そうしてしかたなく、玄関の隣....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
むろ》に頭を振りながら、 「しかし何もこう云ったからと云って、彼が私《わたし》の留守中《るすちゅう》に故人になったと云う次第じゃありません。ただ、かれこれ一年ば....
」より 著者:芥川竜之介
ながや》の一軒だった。主人は近所の工場《こうじょう》か何かへ勤《つと》めに行った留守《るす》だったと見え、造作《ぞうさく》の悪い家の中には赤児《あかご》に乳房《....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の妻が訪れたのは、生憎《あいにく》例の雇婆《やといばあ》さんが、使いに行っている留守《るす》だった。案内を請う声に驚かされたお蓮《れん》は、やむを得ず気のない体....
妙な話」より 著者:芥川竜之介
、地中海《ちちゅうかい》方面へ派遣された「A――」の乗組将校だった。あいつはその留守《るす》の間《あいだ》、僕の所へ来ていたのだが、いよいよ戦争も片がつくと云う....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
へ顔を出すのです。それも夫のいる時ならばまだしも苦労はないのですが、妙子のひとり留守《るす》をしている時にもやはり顔を出すのでしょう。妙子はやむを得ずそう云う時....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
《こごと》ばかり云っているか?」 わたしはやむを得ず俯向《うつむ》いたなり、御留守《おるす》の間《あいだ》に出来《しゅったい》した、いろいろの大変を御話しまし....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
度あの秋山図を見せてもらうように頼みました。しかし何度頼んでみても、小厮は主人の留守《るす》を楯《たて》に、頑《がん》として奥へ通しません。いや、しまいには門を....
」より 著者:芥川竜之介
も、もう啼かなくなった。 「やがて、男は、日の暮《くれ》に帰ると云って、娘一人を留守居《るすい》に、慌《あわただ》しくどこかへ出て参りました。その後《あと》の淋....
追憶」より 著者:芥川竜之介
。僕は妙に思いながら、父や母にそのことを話した。が、誰も驚かなかった。それは僕の留守の間に「動員令発せらる」という号外が家にも来ていたからだった。僕はもちろん日....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
閣へよって、古本をひやかして、やっと本郷の久米の所へ行った。すると南町へ行って、留守だと云うから本郷通りの古本屋を根気よく一軒一軒まわって歩いて、横文字の本を二....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
らきら輝いています。して見れば今の大あらしも、あの虎や白蛇と同じように、鉄冠子の留守をつけこんだ、魔性の悪戯に違いありません。杜子春は漸く安心して、額の冷汗を拭....
初雪」より 著者:秋田滋
ドールとミルザとを連れて、朝から家を出て行った。そんな時に、彼女はたったひとりで留守番をしているのだが、良人のアンリイが家にいないことを、別に淋しいとも思わなか....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
し財政は依然として余り楽にもならず、後で述べるように、デビーが欧洲大陸へ旅行した留守中につぶれかけたこともあり、一八三〇年頃までは中々に苦しかった。 かように....
狂人日記」より 著者:秋田滋
を一羽籠に入れ、窓のところにぶら下げていた。私はジャンを使いに出しておいて、その留守に、小鳥を籠から出して、手で握ってみた。小鳥の心臓の皷動が、はっきりと手に感....