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留守居
「留守居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
留守居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
も、もう啼かなくなった。
「やがて、男は、日の暮《くれ》に帰ると云って、娘一人を
留守居《るすい》に、慌《あわただ》しくどこかへ出て参りました。その後《あと》の淋....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
修養などが剥《は》がれて現われたものである。
母の父は南部すなわち盛岡藩の江戸
留守居役で、母は九州の血を持った人であった。その間に生まれた母であるから、国籍は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を寺社奉行に通達した。寺社奉行の方で取り調べると、松円寺には当時住職がないので、
留守居の僧が寺をあずかっていたのである。それは円養という四十ばかりの僧で、ほかに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んでいた。 その魚は去年の春の潮に乗って寄って来た。それは中国辺の或大名屋敷の
留守居役で、歌女代をぜひ自分の持ち物にしたいという註文であった。跡取りの娘である....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
くぐったのである。 家の人たちは山林の下刈りにいったとかで、母が一人大きな家に
留守居していた。日あたりのよい奥のえん側に、居睡りもしないで一心にほぐしものをや....
「蠅男」より 著者:海野十三
頼んだ。 署長の正木真之進は、そのとき丁度、鴨下ドクトル邸へ出かけていたので、
留守居の警部補が電話で署長の指揮を仰いだ結果、悪戯にしても、とにかく物騒だという....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
|不二、やがて三人が岳陰荘の玄関に着くと、あらかじめ報のあったものと見えて山荘に
留守居する年老いた夫婦の者が一行を迎え入れた。 やがて浴室の煙突からは白い煙が....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
な気の可い顔色。 「御串戯もんですぜ、泊りは木賃と極っていまさ。茣蓙と笠と草鞋が
留守居。壁の破れた処から、鼠が首を長くして、私の帰るのを待っている。四五日はこの....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いでやろうと、扇子を片手に、当時文界の老将軍――佐久良藩の碩儒で、むかし江戸のお
留守居と聞けば、武辺、文道、両達の依田学海翁が、一夏土用の日盛の事……生平の揚羽....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
し訳もありませんけれど、何卒お許しを願います。 私は獄中すこぶる健康でいます。
留守居の保子は友人や同志の助けによってともかくもその日を暮して行けそうです。この....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
から、大切に御用を勤めること勿論である。中国筋の某藩の江戸屋敷に香川甚五郎という
留守居役があって、平素から四郎兵衛を贔屓にしていた。 その甚五郎があるとき四郎....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
の次郎兵衛後家の家に残っていることになった。要するにここを本陣として、誰か一人は
留守居をしていなければならないというので、最年少者の茂左衛門がその留守番を申付け....
「キド効果」より 著者:海野十三
息は杳として聞えなかった。 そして或る日、警視庁の捜査課長が、博士の研究室に、
留守居の丘助手を訪ねた。丘数夫は折りふし、孜々として机の上に拡げた学位論文にペン....
「米」より 著者:犬田卯
常六年生のおさよは無論のこと、今年入学したばかりのおちえまで学校を休ませ、そして
留守居させての、文字どおり一家総動員の田植作業であった。旱魃を懸念された梅雨期の....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
|会所を建て、水藩の名義で金穀その他の運上を扱い、業務上水府の家職を初め諸藩のお
留守居、勘定役等と交渉する必要があったので、伊藤は専ら椿岳の米三郎を交際方面に当....