留金[語句情報] » 留金

「留金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

留金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
田端の汽車そのほか」より 著者:宮本百合子
リス好みの濃い赤でぬられているところへ、茶色エナメルでがんじょうな〆皮と金ピカの留金とがついている。それはただ平ったい上に描かれているのではなかった。ちゃんとさ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ついてしまったと笑うことがあります。私の机の上には、クロームの腕時計に小さい金の留金のついたのが、イタリー風の彫刻をした時計掛にかかってのっている。この時計は不....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
線の計画を確かな筋から聞き込んだと吹聴しているプラハの土地利権屋や、コルセットの留金が引き釣ってきっと靴下の上部に筋切れがしてるに相違ない巴里下りのマドモアゼル....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
にも外側から鉄の針金の格子がはめてあります。一方の壁には窓がなくて、二本の丈夫な留金がついています。私が馬車で行くときには、乗手がこれに革帯を通して、しっかり腰....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
『改造』の当選)といっていらしったの。とにかく又動くようになるのは大変うれしい。留金ばっかり金の可笑しい時計! 一昨日からきのうの朝にかけて、ひどく馬力をかけ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くれるようになりました。どういうことなのかしら。昔ながらリボンだけは黒の女もの、留金だけは金をつけられて、毎日チクタクやっているが。私の朝起きてからの大体はこん....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の中に、絹紙に包んだ物を感じた。彼女の靴《くつ》につけてやるためにもって来た銀の留金《とめがね》であった。靴から出てる小さな足先に手を押し当てた夕のことを、彼は....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
背中の背嚢が邪魔になり、またそれは、ありあわせの枕《まくら》となるので、負い皮の留金《とめがね》をはずしはじめた。その時、恐ろしいうなり声が聞えた。彼は目をあげ....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
リュレ。 そいつの金と時計とを、 リルロンファ・マリュレット、 それから靴の留金を、 リルロンファ・マリュレ。 それから靴の留金を、 マリュレ。....
金の目銀の目」より 著者:豊島与志雄
とお》ばかりの女の子が座っていました。肩のあたりまでの長さの髪を、宝石のついた、留金でとめ、空色の洋服をつけ、白い絹の靴下をはいていましたが、全体が、ほっそりし....
桜の園」より 著者:神西清
んで坐っている。シャルロッタは古いヒサシ帽をかぶり、肩から銃をおろして、革ひもの留金をなおしにかかる。 シャルロッタ (思案のていで)わたし、正式のパスポートが....
魔都」より 著者:久生十蘭
踏んまえているのは、川俣踏絵という当時売出しのアメリカ帰りの舞踊家。人造ダイヤの留金のついた銀色の踊り靴で、しきりに元吉の脊骨を蹴りつけるが、好事家《ヂレッタン....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
へ手を入れているところへ行きあわした。どういうはずみだったか、そのとき銀の腕守の留金がはずれて生洲の中へ落っこちた。それで見る気もなく見たンですが、たしかに甲府....
土から手が」より 著者:牧逸馬
で止めてある。低い襟。総体にゆったりした作りで、下めに帯を廻し、前面に黒い大きな留金《バックル》が附いている。 身体及び人相――身長、五呎四吋。体重、百二十封....
それから」より 著者:夏目漱石
書棚の前へ行って、上に載せた重い写真|帖《ちょう》を取り上げて、立ちながら、金の留金を外して、一枚二枚と繰り始めたが、中頃まで来てぴたりと手を留めた。其所《そこ....