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畚
「畚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
畚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
相成りましょう。それならばお心安い。」 きびらを剥いで、すっぱりと脱ぎ放した。
畚褌の肥大裸体で、 「それ、貴方。……お脱ぎなすって。」 と毛むくじゃらの大胡....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
り出す。浜に待ち構えている男たちは、目にもとまらない早わざで数を数えながら、魚を
畚の中にたたき込む。漁夫たちは吉例のように会社の数取り人に対して何かと故障を言い....
「蘆声」より 著者:幸田露伴
機に竿を上げた。かなり重い魚であったが、引上げるとそれは大きな鮒であった。小さい
畚にそれを入れて、川柳の細い枝を折取って跳出さぬように押え蔽った少年は、その手を....
「運命」より 著者:幸田露伴
当って済寧の守将、民を督して城を築かしむ。克勤曰く、民今|耕耘暇あらず、何ぞ又|
畚※に堪えんと。中書省に請いて役を罷むるを得たり。是より先き久しく旱せしが、役の....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
りでも、姉さん。――話のついでですが、裸の中の大男の尻の黄色なのが主人で、汚れた
畚褌をしていたのです、褌が
畚じゃ、姉ごとは行きません。それにした処で、姉さんとで....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
頂き、袖なしの羽織を、ほかりと着込んで、腰に毛巾着を覗かせた……片手に網のついた
畚を下げ、じんじん端折の古足袋に、藁草履を穿いている。 「少々、ものを伺います。....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
れを台にしていたのであった。 時に、釣れましたか、獲物を入れて、片手に提ぐべき
畚は、十八九の少年の、洋服を着たのが、代りに持って、連立って、海からそよそよと吹....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
この時雨榎の枝の両股になってる処に、仰向に寝転んでいて、烏の脛を捕えた。それから
畚に入れてある、あのしめじ蕈が釣った、沙魚をぶちまけて、散々悪巫山戯をした挙句が....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
人を待受けて居ります。其の内に追々囚人が送られてまいりますが、中には歩けませんで
畚に乗って参る者もございます。文治は成るたけ人に逢わぬように、俯向いて目立たぬよ....
「氷河」より 著者:黒島伝治
下流から吹き上げて来る嵐に奪われてしまった。防寒靴は雪の中へずりこみ、歩くたびに
畚のようにがく/\動いた。それでも足は、立ち止っている時にでも常に動かしていなけ....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
に叫んだ。 しかし、どうして彼を救いあげようという手だてもなかった。この場合、
畚をおろすよりほかに方法はなさそうであったが、その
畚も近所には見当らないので、四....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
勢力の絶倫な為に、如何に今まで圧迫されていたか分るので有った。 釣られた魚の魚
畚を出て、再び大河に泳ぐような気が、次第次第に加わって来た。今度は江戸の方へ引附....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
、雪白な霞を召した山の女王のましますばかり。見渡す限り海の色。浜に引上げた船や、
畚や、馬秣のように散ばったかじめの如き、いずれも海に対して、我は顔をするのではな....
「隠亡堀」より 著者:国枝史郎
助が云った。 で、伊右衛門は上げてみた。 一尾の鯰が掛かっていた。 ポンと
畚へ投げ込んだ。 「ところで何うだい、お前の方は? お袖と仲宜く暮らしているのか....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
方法でない。 「何か可い物はあるまいか。」 飛騨の山人は打寄って、この国特有の
畚を作ることを案じ出した。 飛騨の
畚渡しは、昔から絵にも描かれ、舞台にも上され....