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畢竟するに
「畢竟するに〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
畢竟するにの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
腕に繍身が有って夕衣を着て居る時には何うかすると見えた事を今思い出したと陳べた。
畢竟するに余が此の死骸を斯うまで検める事に成ったのは、唯、入口で医師が「三十位」....
「科学者と芸術家」より 著者:寺田寅彦
に、厳密な意味で現実を離れた想像は不可能であろう。科学者の組み立てた科学的系統は
畢竟するに人間の頭脳の中に築き上げ造り出した建築物製作品であって、現実その物でな....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
遵るもののみなり」といってお前を弁護したではないか。お前の神と称していたものは、
畢竟するに極く幽かな私の影に過ぎなかった。お前は私を出し抜いて宗教生活に奔ってお....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
今の立場から詳説すべき範囲外にあるからすべて省略する事とする。 これらの所説は
畢竟するに人間霊魂非不滅論に導くべき前提としてルクレチウスのかなり力こぶを入れて....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
いる文学が、もし韻文と呼ばれるものなら、世の中に韻文ぐらい退屈なものは無かろう。
畢竟するに平家や謡曲等の詩文は、琵琶《びわ》その他の音曲によって歌謡される、文字....
「戯曲を書く私の心持」より 著者:豊島与志雄
にして、そして戯曲を作って、勿論ねらい方だの取扱い方にはひどい違いはあるけれど、
畢竟するに戯曲の会話と云うものは、そう云う風なものじゃないかと思う。そこで戯曲に....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
で漕ぎついた。しかも犬は六十五銭の外国品より喜んで食うのだから愉快だ。これなどは
畢竟するに研究の賜である。 研究を熱心に怠りなくしていると、こういう風に西洋の....
「悲願に就て」より 著者:坂口安吾
常に習慣と闘ってきた、と彼は述懐しているが、彼の個人主義的な懐疑思想というものは
畢竟するに、彼の歴史観が、制度は人間そのものを革めはしないと信じていたことに起因....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
開戦せば日本国の存亡も図るべからざるごとくに認め、以て勝氏の行為を弁護したるは、
畢竟するに全く事実を知らざるに坐するものなり。 今|当時における外交の事情を述....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
自ら謄写したものが二、三種あった。刊本では、『夢想兵衛』と『八犬伝』とがあった。
畢竟するに戯作が好きではなかったが、馬琴に限って愛読して筆写の労をさえ惜しまず、....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
り草臥れて漸く目が覚めると、苦々しくもなり馬鹿々々しくもなった。かつこの猿芝居は
畢竟するに条約改正のための外人に対する機嫌取であるのが誰にも看取されたので、かく....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に加わりて力ありやというにいたりては、政府の事業は民間の事業に及ばざること遠し。
畢竟するに、政府の事業それ自体民間の事業の一部分にして、ただその品位のやや高きも....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
らは搏つ、生きるがためには、 惨害――自己と地位の確守だ。 勝て。 弱者は
畢竟するに弱者に過ぎないのだ。 勝て。 その外は死だ。 眼、 眼、 お....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
らないのであります。世人が往々彼らを見て、疑い深いの、親しみにくいのというのは、
畢竟するに、いわゆる「喰わず嫌い」で、「よく知らない」からのことであったのです。....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
場所に関して、具体的の説明|若くは指示をも受けなかったので、私達の危惧と不安とは
畢竟するに自己の想像の所産であるかの如くさえ思われた。唯仙人谷の出合で右岸に渡り....