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略奪
「略奪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
略奪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
草を抜いたり、水車を踏んだりしている百姓は割合に落ち着いている。一つは見渡す限り
略奪にあいそうな農作物は一つもないからである。どんなに織田勢が意地が汚くっても、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
屋でわきざしを買いととのえた事実とともに総合してみれば、中仙道へ走るための路用金
略奪に行なった犯跡に考えられましたものでしたから、これではもう右門とてさじを投げ....
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
るのです。どーンとおとしておいて、その地区が大混乱におちいると、とびこんでいって
略奪をはじめるのです。ですから、そういう連中を警戒するためにも、あれが必要なので....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
様ともしない。川から鮒を獲って来て蕗の葉で膾を造る位は罪の無い方で、朋輩の弁当を
略奪して平げたりした。町を通りながら、栗、柿、瓜をかじり、餅をほおばった。人が嘲....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
開していた。霞んで見える。いつも、ほっついている山羊の群れもなかった。――百姓が
略奪を用心してかくしたんだろう。階級が一ツちがっていても、いいだくだくと、命令を....
「野球時代」より 著者:寺田寅彦
用が足りた。ボールがゴムまり、バットには手ごろの竹片がそこらの畑の垣根から容易に
略奪された。しかし、それでは物足りない連中は、母親をせびった小銭で近所の大工に頼....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
が小さな二葉のうちに捜し出されて抜かれるのにこの三種のものだけは、どういうわけか
略奪を免れて勢いよく繁殖する。二三年の間にはすっかり一面に広がって、もうとても数....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
る。日本でも同様である。先日見た「エノケンの酔虎伝」でもお客様に出してある菓子を
略奪に出て来る男の子がどの俳優よりもいちばん自然で成効しているように思われた。こ....
「地図をながめて」より 著者:寺田寅彦
道では熊におびやかされたり、食糧欠乏の難場で肝心の貯蔵所をこの「山のおじさん」に
略奪されて二三日絶食した人もある。道を求めて滝壺に落ちて危うく助かった人もある。....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
ているという事情からだけ起りうることだ、と僕には思われたのだ。もしキッドが自分の
略奪品を一時隠しておいて、その後それを取り返したのなら、その噂は現在のような、い....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
るのです。どーンとおとしておいて、その地区が大混乱におちいると、とびこんでいって
略奪《りゃくだつ》をはじめるのです。ですから、そういう連中を警戒するためにも、あ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
。 「ハルビン」 灰色にくすぶる新市街の停車場。 殺到する支那の赤帽。手荷物
略奪戦。 りゃん・りゃん・りゃん! まあやあ・ほいほい! てんが・れんが・....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
になると散歩に出ることなどは知らなかったのだ。――無論、もしその二人の男が、何か
略奪をする目的でやって来たのだとしたら、あのブレシントンの部屋に少くもその辺を探....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
は、日清戦争があったことも、清が明に取ってかわったことも知らずに、しかし、軍隊の
略奪には恐ろしく警戒して生きている、──こういうことは、支那の奥地に這入った者の....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
。独立戦争中は、イギリスとアメリカとの境界線が、この近くを通っていたので、ここは
略奪の修羅場となり、亡命者や、王党側の暴れものや、そのほか、あらゆる国境の荒くれ....