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略画
「略画〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
略画の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
た。この絶対を愛する精神こそは禅門の徒をして古典仏教派の精巧な彩色画よりも墨絵の
略画を選ばしめるに至ったのである。禅学徒の中には、偶像や象徴によらないでおのれの....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
省略することは零以上にすることだ、マイナスになってしまうのだ。 フランスの絵に
略画が多いのはそんな画風が多いことにもよるが、また一つには、西洋人の画界は日本の....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ながらよろしく当てはめて行く。その点はまことに画家の仕事は楽で便利である。ほんの
略画、素描、一部のアウトラインだけを示すと、日本人は勝手な色彩なり想像を篏め込ん....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
の煙と、すず虫と、近松と、お経と木魚の音が新秋の私を教育してくれた。と同時に私は
略画の情趣を知らぬ間に感得してしまった。何が私に絵心をつぎ込んだかと流行語で問う....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
るなく唯見るがまま興の動くがままに筆を執るに似たり。これを同じ早筆《そうひつ》の
略画に見るも北斎のものは決して偶発的ならず、苦心熟練の余《よ》僅《わずか》にここ....
「春心」より 著者:田中貢太郎
渦巻が眼の前に倒れた。老人は驚いて一足|退った。老人の小さな頭には胡麻塩になった
略画の烏そのままの髷が乗っかっていた。 「こ、これは、まあ、なんと云うことだ、狼....
「偶言」より 著者:津田左右吉
木炭などは削りもせずにすらすらと何時までも使うことが出来る、鉛筆にしても短時間の
略画なら、その間に心を削り出さずとも優に一枚を描き終ることは出来る、すなわち感興....